広報誌 健康倶楽部/2012年2月号

子どもが熱を出した時の対処

発熱は、かぜやインフルエンザなどさまざまな原因が考えられます。一般的に子どもの平熱は大人よりも高く、乳児や小学校入学前の幼児では、37度前後あるのが普通です。38度以上あれば病気の可能性が高くなります。平熱が低い子どもは37度台でも注意しましょう。

発熱にはすぐに受診したほうが良い場合があります。けいれんやひきつけ、嘔吐、下痢、発疹など、発熱以外の症状をともなう場合や、ぐったりしていたり、呼吸が苦しそうなときは早急に医療機関を受診して下さい。特に乳幼児では発熱とともにけいれんを起こすことがあります。けいれんが10分以上続いたり、何度も繰り返したり、意識が無いときは、ゆすったりせずにすぐに救急車を呼びましょう。

<体温の調節に気を配る>

熱の出始めは寒がることがあります。寒がっている場合は衣類などで体を温めてあげます。熱が上がり、汗が出てきたらこまめに着替えさせて薄着にし、汗で冷えないようにしてあげましょう。 水分をしっかり補給し、脱水症状にならないように気をつけます。

<発熱時の食事>

発熱しているときは食欲が落ちている場合が多いと思われます。消化がよく、のどごしのよいものを食べさせましょう。

水分補給を忘れずに。熱が出るとビタミンAやビタミンCを多量に消費するので、ビタミンAはトマトやほうれん草、かぼちゃなどをスープ仕立てにするととりやすいですし、ビタミンCはオレンジやいちご、キウイ、柿などに多く含まれているので少しづつ食べさせるとよいでしょう。

<のどの痛みを訴えるとき>

かぜやインフルエンザでは、のどに痛みを感じることが多く、特に、急性咽頭炎や扁桃炎はのどに痛みや不快感を強く感じます。のどの痛みや咳をやわらげるためには、室温と湿度に気を配りましょう。乾燥しやすい冬はのどの粘膜を刺激して痛みを強くし、咳を誘発します。加湿器があると便利です。

のどが痛いときは、飲み込むことがつらいため、食事をするのを嫌がります。無理に食べさせず、イオン飲料やお茶、白湯などを与え、脱水症状を起こさないように気をつけます。食欲が出てきたらのどを刺激しないような口当たりのよいものを少しずつ食べさせましょう。

<かぜ>

かぜのほとんどはウイルスが原因です。鼻水やくしゃみ、咳、発熱、嘔吐、下痢など症状がでます。かぜをひいても顔色がよく、遊ぶ気力があり、食欲もあるようなら家で安静にさせ、様子を見てもよいでしよう。

ただし、38度以上の高熱が続いたり、呼吸が苦しそうだったり、食欲がないときは、インフルエンザや肺炎など他の病気の可能性があるので受診しましょう。

 

インフルエンザ脳症

インフルエンザは約1週間ほどで治癒する病気ですが、合併症として肺炎、中耳炎、心筋炎、症状が重くなるインフルエンザ脳症などがあります。インフルエンザ脳症は、発病後ごく短時間で意識障害やけいれん、異常行動、異常言動などをおこします。

インフルエンザ脳症は、毎年およそ200人が発症しています。 15%が死亡、30%が重度の後遺症を残します。上記の症状が現れた場合は急いで受診する必要があります。

 

 

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