広報誌 健康倶楽部/2012年3月号

便秘が治ると様々な不快症状が消える!

便秘とは、一般的に2〜3日排便が無い状態を言いますが、排便が2〜3日おきにしかなくても、気持ちよく排便できていれば便秘とは言いません。逆に毎日排便していても、便が残っている感じがしたり、おなかが張った状態(膨満感)が続くなどの症状がある場合は便秘といえるでしょう。

<便秘になるとあらわれる不快症状>

  1. 肌荒れ、吹き出物、にきびなど女性の場合特に気になる症状です。便秘で新陳代謝が悪くなり、そのためホルモンの代謝が落ち、肌に不快症状が現れます。
  2. おなかが張り、口臭がする。ゲップが臭い。これは、腸内にガスがたまり、腸の中の悪玉菌が増殖して悪臭の強いガスを発生させるのです。便秘になり、腸の働きが悪くなると「おなら」として外に排出しきれずにガスがたまり、そのガスの成分は血液中に吸収され、肺に運ばれて吐く息に混ざって放出されるので口臭がきつくなったりするのです。
  3. 肩こり、腰痛などの原因になる。腸内にガスがたまると、背中や腰を圧迫するため、その周辺に痛みを生じることもあります。腰や背中が張ったり、胃もたれのような不快感があるのも便秘から来る症状の場合があります。また、肩こりを訴えている人が便秘を治すと肩こりが消えることがあるのは、便秘のために自律神経が乱れたために起こっていた可能性があると考えられます。
  4. 頭痛やイライラ、不眠なども自律神経からくる不快な症状ですが、その上、おなかが張っていたり、ゲップや胃もたれなどの不快感からさらにイライラしたり、ストレスがたまる、ストレスがたまると不眠になる、不眠になると便秘をする悪循環になります。

<善玉菌と悪玉菌>

腸の中には百種類、百兆個以上もの細菌がいます。腸内細菌は大別すると、人間にとって都合のよい「善玉菌」と、困った存在の「悪玉菌」そして善玉菌が優勢なら悪さを始める「日和見菌」にわけられます。腸内細菌の総量はだいたい決まっていて善玉菌が増えれば悪玉菌が減り、悪玉菌が増えれば善玉菌は減ります。悪玉菌が多いと健康に悪影響を及ぼします。善玉菌は腸内の働きを活性化のするとともに、悪玉菌の増殖を抑える必須菌です。

<善玉菌の働き>

・病原菌の活動を封じ込めて、感染病から身を守る

・腸内の腐敗菌の増殖を抑え汚れを取り去る

・乳酸や酢酸などを作り出し便秘を防ぎ腸の吸収力を高める

・発ガン物質を分解する

・下痢の予防

 

善玉菌を優勢な状態にしておくと、これらの働きで腸の健康を保つことができるのです。

善玉菌を増やすにはヨーグルトなどの発酵食品を積極的にとるようにします。

 

悪玉菌は人間に影響を及ぼします。

代表的なものとして、ウェルシュ菌は、たんぱく質を分解して、発がん物質をつくったり、発ガン物質を作ったり、感染性腸炎の原因にもなります。その他、ブドウ球菌、大腸菌なども下痢や食中毒を引き起こしやすくなります。悪玉菌は肉類中心の食事や運動不足、暴飲暴食などで増加をします。又、ストレスや過労でも増殖すといわれています。年齢を重ねるごとに悪玉菌が優勢になります。これは、腸が老化するからです。

常に腸内のバランスを整えて健康な腸を作ることが体の様々な不快症状を改善する秘訣なのです。

 

便秘を改善するために

便秘予防にはまず食生活の改善と運動です。

便秘の人は、食物繊維を多く含む食品をあまり食べていなかったり、運動不足の人が多いのです。

 

 

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