広報誌 健康倶楽部/2012年3月号

強い歯にするためにカルシウムの摂取と正しい歯磨きの習慣を!

カルシウムの一日の摂取量には食品から取る場合はそれほど過剰摂取になる心配はありません。つまりそれだけ吸収の効率が悪い栄養素でもあります。

なんといっても牛乳が一番手軽で効率よくとれる食品です。カルシウムが豊富なだけでなく、乳頭やアミノ酸がカルシウムの吸収を高めてくれるのです。子どもから大人まで誰もが手軽に摂取できる牛乳を毎日飲み続けることと同時にカルシウムを骨に定着させる働きがあるビタミンCも摂取することにより歯や骨を丈夫にします。栄養の偏った食事をしていたり、加工食品や清涼飲料水をとりすぎているとカルシウムの吸収が阻害されるので注意しましょう。

虫歯は口の中にすむミュータンス菌が糖質を発酵させて酸をつくり、歯のカルシウムを溶かすことで発生します。ミュータンス菌は食品を口移ししたり、同じスプーンを使ったときに親から子どもに感染します。3才ぐらいまでの間にミュータンス菌の感染を避けるようにすると、子どもの虫歯になる確率は下がるといわれています。 又、唾液は口の中や歯の表面に残った食べ物を洗い流したりミュータンス菌がつくった酸を薄める働きがあるのでよく噛んで唾液を分泌させることも虫歯の予防のひとつです。

<歯間ブラシやデンタルフロスを使う>

歯ブラシで汚れを落とすのが難しい部位が歯と歯が接触している歯間です。歯間は細菌が住み着きやすく歯ブラシではなかなか汚れがとれません。そこで最近では歯間ブラシやデンタルフロスが市販されています。サイズが色々あるので無理なく歯間に入る太さのものを選びます。太いものを無理に歯間に入れると歯肉が痛むので、まずは細いものを使用すると良いでしょう。

 

人は「食」のことには興味を持ちますが「歯の健康」についてはなかなか興味を持ちません。しかし、おいしく食べるには歯が健康でなければなりません。歯が痛み出した時は、すぐ歯科を受診するのですが、治療が終わると、皆さんあの痛みを忘れてしまうのか、また、歯磨きをおろそかにし、丈夫な歯をどんどん虫歯にしてしまいます。

 

虫歯の無い私は…

・朝起きて軽く歯磨き(この時歯磨き粉はつけません)

・朝食後すぐ歯磨き(歯磨き粉をつけて念入りに)

・昼食後すぐ歯磨き(歯磨き粉をつけずに念入りに)

・間食したりコーヒーを飲んだ後はうがいをする

・夕食後歯磨き(歯磨き粉をつけて念入りに)

・就寝前歯磨きとデンタルフロスで念入りに

 

おかげで歯の表面の着色もなく、虫歯は1本もありません。3ヶ月に1回歯科に行き、歯の健康診断を受けます。その時、歯ブラシの動かし方を教わりますので、それを実践しています。きれいで健康な歯を持っていることで得をすることはあっても損をすることは何もないのですから、ぜひ皆さんも百歳になっても自分の歯でおいしく食事ができるように、歯の健康にも興味を持っていただきたいと願っております。

(読者 40歳 女性)

喫煙は歯肉の抵抗力を低下させる

歯周病は生活習慣が深く関係した病気です。現在、歯周病と因果関係がはっきりわかっているのは、喫煙と糖尿病です。タバコを吸うと、歯肉の血行が悪くなります。その結果、歯肉の細菌に対する抵抗力が低下して、歯周病菌に冒されやすくなるのです。

また、糖尿病は、血糖値の高い状態が続くために、全身の血管がもろくなり、抵抗力が落ちる病気です。歯肉の血管も例外ではなく、糖尿病をもっている人は歯周病菌に冒されやすく、また重症化しやすいことが知られています。

 

 

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