広報誌 健康倶楽部/2012年4月号

薄毛、抜け毛対策〜男性型脱毛〜

脱毛の種類は、大きく分けると次のタイプがあります。

円形脱毛症…免疫の仕組みの異常が原因。受診が必要。

老人性脱毛…加齢による細胞の機能低下が原因。

男性型脱毛…男性ホルモンの影響で額の生え際や頭頂部が薄くなる。女性にも起きる。

<細かい抜け毛にご用心!>

シャンプー時などの抜け毛に細い髪が多いと感じたら要注意。

細い髪が多くなるのは、髪の成長期が短くなるためと考えられます。髪には毛周期という成長サイクルがあり、健康な髪は2〜6年の成長期を経て、2週間の退行期と、3〜4ヶ月の休止期を繰り返しています。ですが、男性型脱毛の人の髪は、成長期が極端に短くなり、髪が十分に成長できないため、髪が細いまま、抜けてしまうのです。

▼髪の毛が細くなってきた

髪の毛は毛乳頭の指示と栄養の供給を得て、毛母細胞内で作られています。毛乳頭の指示が乱れる原因は、特殊な酸素により男性ホルモンのテストステロンが変化したDHT(※)にあります。このDHTがタンパク質の受容体と結合し、髪の毛の成長を止める信号を出すためと考えられています。この特殊な酸素は、額の生え際付近と頭頂部の毛乳頭にしかないため、髪はこの辺りから薄くなるのです。テストステロン自体には髪を薄くする働きはなく、DHTに変化して、初めて髪の成長が抑制されます。つまり、DHTが発する髪の成長を抑制する信号が強いと男性型脱毛が起きると考えられますが、まだ詳しいことは解明されていません。

※DHT=デビドロテストステロン

▼対処法

男性ホルモンのテストステロンが特殊な酸素と結びついてできるDHTが、髪の毛の根元にある皮脂腺の中のタンパク質受容体と結びつくと、皮脂の分泌を増進する指令を出すと考えられています。

実際に髪の毛の薄い人は、濃い人よりも皮脂量が多く、皮脂が増えると、汚れで毛穴が詰まったり、炎症を起こすなど、髪の成長に悪い影響を与えるので、シャンプーで上手に皮脂を落とすようにしましょう。

頭皮の汚れを落とす洗髪法
  1. 髪の毛を温水で充分に濡らします。
  2. シャンプー液を適量手のひらに取り、よく泡立てます。
  3. 指の腹を使い、小刻みに動かしながら、生え際から頭頂部に向かって洗います。
    (髪の毛ではなく頭皮を洗います)
  4. シャンプー液が頭皮や髪の毛に残らないように充分にすすぎます。

シャンプーは髪の毛ではなく、ほこりや汚れがいっぱい詰まっている頭皮を中心に洗うと良いでしょう。

 

▼運動不足と髪の関係

なんと、薄毛・抜け毛・脱毛の原因の1つとして運動不足があることをご存知でしょうか。

会社ではデスクワーク、ほとんど机から離れることがない。通勤時は電車やマイカーを利用し、30分から1時間は同じ姿勢。たまの休日には疲れがたまり、家でゴロゴロしている…。

一見「別に髪の毛とはまったく関係性がない」ように思えますが、実は違います。それはなぜか。

運動不足になると…
  • 仕事のストレスなどで、食事はついつい必要以上に摂取してしまい、余分な摂取分が皮下脂肪としてどんどん蓄えられます。
    皮下脂肪が増えると、お肌の新陳代謝が衰え、頭皮の機能も衰えはじめます。
  • 運動をしないと心肺機能が徐々に低下していき、酸素の摂取量も減少し、貧血体質になり、脳内に流入していく血液の絶対量が不足していきます。
    当然頭皮にも影響するので、毛髪の栄養不足になります。

結果、毛髪の成長を妨げてしまいます

 

 

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