広報誌 健康倶楽部/2012年6月号

接触性皮膚炎ってどんな病気?

皮膚は外界と絶えず接している部分で、体外・体内保護作用、体温調節機能、分泌・排泄作用、吸収作用、知覚作用、呼吸作用などの働きがあります。

外界からの刺激や病原体に直接触れる機会が多く、また、体内からの影響も受けやすい部分です。その中で刺激物やかぶれやすい物質に触れることで起こる反応が湿疹または皮膚炎です。

湿疹の特徴といえば、皮膚にかゆみのある小さな発疹がかたまってできることです。かきこわすと汁がでて、そのままにしておくと皮がむけ、いつの間にか治ってしまうものや、小さいかさぷたが出来て固まってしまうものもあります。

かゆみのある湿疹ができても放置して様子をみる人が多いのですが、1〜2日たっても自然に消えない時は皮膚科を受診して下さい。病変が大きかったり、分泌物がみられるときは、かならず受診して下さい。

湿疹は、いったん慢性化してしまうとなかなか治りません。慢性化させないためにも早めに治療を行うことが望ましいといえます。

 

接触性皮膚炎は、体の外からくる化学物質などが皮膚について、かゆみや痛みを伴って赤く腫れたり、ブツブツや水ぶくれができたりする皮膚の病気を言います。刺激物質が皮膚について誰にでも起こる「刺激性接触皮膚炎」、皮膚についてアレルギー反応を起こして湿疹になる「アレルギー性接触皮膚炎」、物質が皮膚について30分ほどでかゆみとミミズ腫れを起こす「接触じんま疹」などがあります。

 

原因となる物質

刺激性
接触皮膚炎

塩酸などの強い酸や水酸化ナトリウムなどの強いアルカリ。
脱毛クリーム、パーマ液、肌に合わない石けんなどで脱脂を繰り返すなどでもおこる。

アレルギー性
接触皮膚炎

どんな物質でも起こす可能性があります。コバルト・ニッケル・金・クロムなどの金属や、漆・髪染めの成分パラフェニレンジアミン・香料など。

接触じんま疹

ゴム製品に含まれるラテックスたんぱく、魚介類や野菜、果物、消毒薬など。

接触性皮膚炎は原因物質に触れないようにすることが大切です。重貴金属類のコバルトは装飾品などによく使われており、ニッケルメッキ製品や歯科金属に含まれています。ニッケルも同じくニッケルメッキ製品、歯科金属、硬質、ステンレスなどに含まれています。水銀は水銀体温計やワクチンの防腐剤などに含まれています。金はかぶれを起こさない物質と考えられていましたが、金製のピアスでかぶれを起こす人や、歯にかぶせる金冠などでもまれに起こす人がいます。

湿疹、皮膚炎の治療では原因を確かめることが第一です。アレルギー検査、病理組織検査、真菌検査、細菌検査などで治療法や用いる薬を決めます。

 

 

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