広報誌 健康倶楽部/2012年6月号

食生活によって病気は変化する

日本人の生活は第二次世界大戦終了(1945年)後、一変しましたが、それにともない食生活にも大きな変化が表れました。昭和25年頃とくらべ、平成に入ってから肉、卵、牛乳の摂取量は増加し、逆に米の摂取量は約半分、イモ類の摂取量にいたっては約10分の1に減少したのです。その結果、日本型の脳卒中である脳出血は激減し、日本型の胃ガン、子宮頸ガンが減少、欧米型のガンである肺ガン、大腸ガン、乳ガン、食道ガン、白血病などが激増してきたのです。

戦前はほとんど日本にはなかった心筋梗塞、糖尿病、痛風、脂肪肝などの生活習慣病をはじめ、アレルギー、膠原病(こうげんびょう)などの免疫の異常によるものとされる疾病も著増しています。

つまり、食生活の欧米化により、病気も欧米化してきたといえるわけです。

<栄養バランスの偏りに注意>

体が成長し、多くの栄養素を必要とする成長期と違い、成人期になると栄養の過剰摂取に注意が必要です。成人になると、運動をする機会が減り、生活活動が低下をしているのに食生活が豊かなために摂取するエネルギー量が過剰になりがちである。理想は食生活で脂肪の占める割合が総エネルギーの25%を超えないようにしたいものです。

しかしながら、外で仕事をしている人に多いのが昼食を外食で済ますことで、特に手軽なファーストフードを利用している人も多いのでは…

また、朝食を抜いたり、会社帰りにお酒を飲む機会が多い人もいるでしょう。酒も量が多いとエネルギーのとりすぎになりますし、何より肝臓の機能に障害を起こす原因にもなるのです。

食事の内容では、野菜が少なく、揚げ物や塩分の多いものばかりを食べていると、肥満や生活習慣病になってしまいます。

成人に不足しがちなカルシウムや鉄分を十分に摂り、野菜や乳製品などをバランスよく食べることが大切です。病気になりにくい体づくりをすることです。

<1日の摂取エネルギーの算出法>

摂取エネルギーの量は個人によって変わる

1日に必要なエネルギーの量(カロリー)は、個人によって違いますが、まず、身長から標準体重を割り出し、それに基礎代謝基準値(表1参照)と身体活動レベル(表2参照)の指数を掛けたものが1日のエネルギーの摂取目安となります。

標準体重 基礎代謝基準値 身体活動レベル指数 1日のエネルギーの摂取量
kg × × kcal
身長 (m) × 身長 (m) × 22 標準体重
  身長を入力してください。

<ドクターの生活習慣の改善アドバイス>

Morning

・朝食抜きはダメ。少し早く起床し、朝食をとる習慣を。

・体を動かす。家事や通勤時の一駅分を歩く。

・なるべくエレベーターやエスカレーターに乗らず、階段を使う。

Afternoon

・炭酸飲料やおやつは控える。

・移動は車を使わない。なるべく歩く。

・デスクから時々離れて軽い運動をする。

Night

・夕食は揚げ物を控え、煮物や焼き物にする。

・お酒を飲まない日を作る。

・ゆっくり入浴し、リラックスする。

 

 

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