広報誌 健康倶楽部/2012年9月号

女性に嬉しい栄養素 大豆イソフラボンでトラブル予防

<大豆イソフラボンとは?>

女性ホルモン「エストロゲン」と似た化学構造と働きをすることがわかり、脚光を浴びています。

元々は、大豆の胚軸(生長すると芽になるところ)部分に多く含まれる抗酸化物質の一種。細胞にダメージを与える「活性酸素」の働きを抑えてくれる優れものです。

<女性に嬉しい栄養素>

大豆イソフラボンの特徴は、女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)に似た働きをし、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれる事にあります。加齢とともにエストロゲンの分泌量が減少すると、やがて更年期、閉経を迎え、それに伴い、「更年期障害」と呼ばれる体と心の不快な症状がみられることがあります。そこで大豆イソフラボンは、エストロゲンの不足を補い、トラブルを予防してくれるのです。

<大豆イソフラボンを多く含む食品>

大豆や大豆製品など、手軽に摂れるものに多く含まれていますが、外食中心の偏った食生活では、不足しがちです。

気になる人は、大豆製品を取り入れやすい和食中心の食生活にするのがおすすめです。1日50mgくらいはとりたいものですね。

<〜エストロゲンをサポート〜 大豆イソフラボンの働きは?>

更年期障害を予防・改善

大豆イソフラボンを多くとっている人は、ホットフラッシュ(更年期障害による、ほてり・のぼせ)が見られにくいという報告もあります。これは大豆イソフラボンの化学構造がエストロゲンとよく似ており、不足したエストロゲンに代わってその受容体と反応し、補足的に働くために更年期の症状が楽になると考えられています。

※症状がひどい場合は婦人科などで相談しましょう。

美しい肌を作る

大豆イソフラボンは肌の調子を整える「美肌ホルモン」のエストロゲンの働きを補い、若々しい肌をサポートしてくれます。肌の弾力を保つ「コラーゲン」を増やして、ハリを保つ働きがあるほか、細胞の新陳代謝を高めて肌の生まれ変わりを促進するので保湿力もアップします。

ガンのリスクを下げる

最近、大豆イソフラボンがガンの予防に効果のあることが明らかになってきています。乳ガン・子宮ガン・卵巣ガンの発生率も、大豆製品を多くとる日本や中国のほうが欧米よりも低く、大豆イソフラボンの摂取量とガンの発生率とは、大きな関係があると考えられ、研究されています。

骨粗しょう症を予防

骨粗しょう症の予防には、適度な運動や日光浴を行ったり、骨の元となるカルシウムをしっかり摂ることはもちろん、そのカルシウムの流出を防ぐエストロゲンの働きを、大豆イソフラボンでサポートすることも大切です。牛乳や小魚、青菜など、カルシウムを豊富に含む食品に、大豆イソフラボンを多く含む食品を組み合わせてとるのがおすすめです。

生活習慣病を防ぐ

食の欧米化が著しい近年、日本人の血中コレステロール値は増加の傾向にあります。中高年だけではなく若い人もコレステロールには要注意!積極的に大豆イソフラボンをとって悪玉コレステロールを排除。生活習慣病予防をしましょう。

やる気をサポート

脳の血液循環をよくし、脳細胞自体の働きを活発にする働きのあるエストロゲン。記憶力を高めてやる気を起こす働きもあると考えられています。その効果は、エストロゲン投与により、アルツハイマー病の進行を遅らせた症例が報告されていることからも、実証されています。

<大豆イソフラボンQ&A>

Q.

1日にどのくらいとると良い?

A.

摂取量は、1日40〜50mgを目標にしましょう。食生活の欧米化により、豆腐などの大豆製品の消費量が減ってきている今、日本人の1日平均摂取量は18mgと、目安をかなり下回っています。意識して積極的にとらないと不足しがちな栄養素といえるでしょう。

摂取目安量は…豆腐約1/2丁(110g)

納豆1パック(40g)

煮豆約80g

Q.

他にもエストロゲンのように働くものはありますか?

A.

イソフラボンは、大豆の他に、ハーブのレッドクローバー、マメ科の植物プエラリア・ミリフィカと同様な働きを持つ食品として、ザクロや亜麻の種子(北欧でパンやクッキー生地に使われる)、ライ麦などがあり、近頃はサプリメントの成分としても活用されてきています。

Q.

過剰摂取の悪影響はある?

A.

イソフラボンの摂取量は一日に40mg〜50mgが理想です。

多めに摂取しても体外に排出されますが、5gや10gといった過剰な量を摂取するのはよくないでしょう。自然界に存在する天然の化合物とはいっても摂りすぎは良くありません。 そして、妊娠中や生理中はエストロゲンの分泌量が多くなっているため、サプリメント等を余分に摂る時などは、医師・薬剤師に相談しましょう。

Q.

効果を高めるとり方は?

A.

大豆イソフラボンの持つ働きはさまざま。それぞれの働きをサポートする栄養素や食品を覚えておいて、組み合わせて食べれば、効果がさらにアップします。また、毎日コンスタントにとり続けることも大切です。

 

 

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