広報誌 健康倶楽部/2012年10月号
牛レバーを生食するのはやめましょう!
平成24年7月から食品衛生法にもとづいて、牛のレバーを生食用として販売・提供することを禁止されました。
これは、牛のレバーを安全に生で食べるための方法がないため、もし生で食べると、腸管出血性大腸菌による重い食中毒の発生か避けられないからです。
<腸管出血性大腸菌による食中毒の可能性>
- 牛のレバーの内部には「0157」などの腸管出血性大腸菌がいることがあります。と畜場で解体された牛の肝臓内部から重い病気を引き起こす食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌か検出されました。新鮮なものでも、冷蔵庫に入れていても、衛生管理を十分に行なっていても、牛のレバーの内部には腸管出血性大腸菌がいることがあります。
- 実際に食中毒が起きています。生の牛のレバーなどか原因と考えられる食中毒は平成10年から平成23年に128件(患者数852人)発生し、うち22件(患者数79入)は腸管出血性大腸菌が原因です。
<腸管出血性大腸菌は重い病気や脂肪の原因になります>
- 腸管出血性大腸菌は、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの、危険な病気を起こし、死亡の原因にもなります。腸管出血性大腸菌は、わずか2〜9個の菌だけでも、病気を起こします。HUSは、腸管出血性大腸菌感染者の約10〜15%で発症し、HUS発症者の約1〜5%が死亡するとされています。平成23年には、腸管出血性大腸菌による集団食中毒事件で5名の方がお亡くなりになるという痛ましい事件が起きています。
<生で食べないことが唯一の予防法>
- 牛の肝臓が腸管出血性大腸菌に汚染されているかどうかを検査する方法や、洗浄・殺菌方法など、有効な予防対策は見いだせていません。
加熱して食べれば、安全です!
腸管出血性大腸菌は、中心部まで75℃で1分間以上加熱すれば死滅します。
※生のレバーをつまんだ箸を口に入れないように注意しましょう。
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