広報誌 健康倶楽部/2012年11月号

がんを予防するために食べたい野菜

がんを予防するには、免疫力を高めることが重要になります。免疫カががん細胞を攻撃し、抑えこむ働きをします。免疫力がダウンするとがん細胞を抑えきれなくなり、増殖してしまいます。

免疫カを高めたり、活性酸素を無害化するには、抗酸化物質をとりましょう。ビタミンA・C・Eは抗酸化作用が強く、がん予防に欠かせない栄養素です。これらはビタミンACE(工一ス)と呼ばれ、野菜や果物に多く含まれています。

キャベツ

にんにくに次くがん予防効果があるといわれているキャベツには、イソチオシアネート(強いがん抑制効果)とペルオキシダーゼ(発がん物質を抑制)という酵素やビタミンC、ビタミンUが豊富に含まれています。肺がんや膀胱がんの予防に有効といわれています。ビタミンUは胃潰瘍を予防することで有名です。

ブロッコリー

ブロッコリーに含まれているスルフォラファンは、イオウ化合物の一種で強力な抗がん作用があります。最近では、ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)がスーパーなどに出回っていますが、これにはブロッコリーの20倍ものスルフォラファンが含まれています。他にも、カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、E、鉄、葉酸なども含まれています。

カリフラワー

カリフラワーは100g中に81mgのビタミンCが含まれています。カリフラワーに含まれるビタミンCは加熱によって失われる量が少ないのでビタミンCの補給にはピッタリの野菜です。また、グルコシノレートという成分が肝臓の働きを高め、解毒作用を強化します。

にんじん

にんじんはカロテンが豊富に含まれています。カロテンは体内でビタミンAに変化し、免疫カを高めます。強い抗酸化作用で肺がんや胃がんを予防する効果が高いとされています。にんじんの葉にもカロテン、ビタミン、カリウムなどの栄養素が豊富なので、できれば無農薬の葉つきのにんじんをおすすめします。

大根

大根の辛み成分のイソチオシアネートというイオウ化合物は強力な抗酸化物質で、解毒作用を強めてがんを予防したり、血栓をつくりにくくります。大根にはジアスターゼ、オキシダーゼなどの消化酵素が含まれており、ジアスターゼは食べ過ぎによる胸やけや消化不良を、予防改善する働きがあり、オキシダーゼは魚の焦げた部分にできる発がん物質を解毒する働きがあるので、焼き魚を食べる時は一緒に大根おろしを食べるとよいでしょう。

パセリ

パセリにはがん予防のビタミンACE(エース)が豊富に含まれています。パセリの香り成分はアピオールという精油成分で、胃液の分泌を促し、食欲を増進させて消化を助けます。また、鮮やかな緑色のもととなるクロロフィルには、血中のコレステロールの上昇を抑えたり、がんを予防する作用があります。

にんにく

にんにくは、アメリカ国立がん研究所作成の「デザイナーフーズ・ピラミッド」で最上位に位置付けられているほど優秀な野菜です。にんにくの独特のにおいのもとは硫酸アリルで、病気や老化を招く活性酸素の害を抑制する強力な抗酸化作用があります。にんにくを切ったりすりおろすとアリシンがビタミンB1と結合してアリチアミンに変化し、クエン酸回路に働きかけてがんを予防します。また、にんにくに含まれるミネラルのセレンは、がん要因の一つとして考えられている過酸化脂質を分解する酵素となります。

トマト

トマトにはリコピンというカロテノイドの一種が含まれています。リコピンの抗酸化作用はカロテンの数倍以上といわれています。がん予防のビタミンACE(エース)も含まれています。トマトを多くとる地域では、がんの発症が少ないという研究結果は世界中でたくさんの例が報告されています。

にら

がん予防効果のあるビタミンACE(エース)が豊富です。血液の凝固を促して止血に作用するビタミンK、造血機能に関係する葉酸などが含まれていて血液のバランスをとります。カロテンは油と一緒にとると吸収率がアップします。

ピーマン

ピーマンはがん予防効果の高い食品のトップクラスに位置づけられています。緑色のピーマンが一般的ですが、パプリカと呼ばれる赤と黄色のものも出回っています。赤ピーマンのビタミンCは緑色のピーマンの2〜3倍あります。また、赤ピーマンの赤い色素はカプサイシンというカロテノイドです。βカロテンよりも強い抗酸化作用があります。

 

健康倶楽部トップページへ

総合南東北病院トップページへ