総合南東北病院

外来予約専用番号
ピンアクセスマップ

口腔外科で扱う主な病気について

  1. ホーム
  2. 診療科・専門外来
  3. 診療科のご案内
  4. 口腔外科
  5. 口腔外科で扱う主な病気について

親知らずの抜歯/口内炎、口の粘膜の病気、炎症/気になる腫れ(嚢胞や腫瘍)/口腔癌/顎関節症
顎変形症(受け口など)/アゴの骨折などの顔面外傷/唾液腺の病気/口腔心身症/顎顔面補綴/インプラント

口腔外科で扱う主な病気

親知らずの抜歯や全身状態が悪い方の抜歯

経験豊富な口腔外科医が患者さんの負担を最小限に抑え、安全に抜歯します。また、恐怖心の強い方には、入院下で静脈内鎮静法や全身麻酔で抜歯をすることもできます。各地域の歯科の先生から紹介をいただいた時には、当科で抜歯など外科処置を速やかに行い、すぐ紹介元の先生のもとで歯科治療を続けられるよう連絡を密にとります。重篤な病気をお持ちの患者さんも同様で全身管理下で抜歯などの外科処置を行い、かかりつけの歯科医院と協力しながら安全な歯科医療を提供します。

口内炎、口の粘膜の病気、炎症

口の中は細菌がたくさん住み着いています。体調不良、ストレスや栄養不良によって自己の免疫力が低下し、口内炎や口の粘膜がただれて炎症を起こすことがあります。まずはお薬で病気を治しますが、再発防止のため口腔ケアを積極的に行っています。それ以外にもたくさんの粘膜の病気があります。たとえば、赤いはずの粘膜が白くなる白板症があります。これは前癌病変といって放置すると癌になってしまうことがあります。口腔内の粘膜の病気はさまざまなものがあります。痛みなどの症状がなく進行するものが多いので、異常を感じたらすぐに受診してください。

気になる腫れ(嚢胞や腫瘍)

口の中の粘膜やアゴの骨の中に袋状のできもの(嚢胞)や良性腫瘍ができることがあります。いずれも良性疾患なので、命に関わることは少ないのですが、感染して炎症を起こしたり、徐々に大きくなったりすることがあります。また、まれに悪性化することもあります。見かけは大したことない腫れでも癌が潜んでいることもありますので、小さいうちに取って調べることを勧めています。

口腔がん

口の中およびその周辺にできるがんのことで、できる部位によって舌がん、歯肉がん、頬粘膜がん、口唇がんなどがあります。日本における口腔がんの発生頻度は全がんの約2%と少ないのですが、頸(くび)から上すなわち頭頸部では口のがんが一番多いです。しかし一般には軽視されがちで、例えば歯肉がんの話をすると「えっ、歯茎に癌ができるの?」とびっくりする人が沢山います。歯周炎などと紛らわしい小さな病変をいち早く発見して、早期治療を行うことが決め手です。

口腔がんの症状は、潰瘍のように掘れこんでいてその周囲が硬くなる、赤くただれる、おできのように膨らむ、口の中の一部が白斑のように白くなるなど様々です。共通の症状は「しこり」です。僅かな異常を早期にキャッチすれば小さな手術でほとんど治ります。早期発見が運命の分かれ道なのです。

タバコや合わない入れ歯を入れて慢性的な潰瘍を放っておくと癌になりやすいと言われていますが、原因ははっきりと分かっていません。

口腔がんの治療の第一選択は手術で、大きさによって局所のみ、あるいは頸(くび)のリンパ節を含めて拡大切除することがあります。口腔がんの場合、切除部が顎の骨、顔面、頸部にまで及ぶことがあり、術後に咀嚼障害、嚥下(飲み込み)障害、言語障害、顔貌の変形などの後遺症を残します。最近は顕微鏡を用いて骨や、皮膚、筋肉の移植よる再建手術の発達によりこれらの後遺症はかなり解消されてきています。しかしながら、口の大切な機能である発語、咀嚼、嚥下などは複雑で微妙な共同作業なので、完全に回復することは困難です。その程度は進行して発見が遅れ大きながんになればなるほど厳しくなります。

手術以外の選択肢として、放射線治療があります。放射線治療はエックス線によるものが一般的で、抗癌剤と組み合わせて治療を行います。機能は温存できますが、たくさんの副作用も強く出ます。また当院にはエックス線以外にもあります。当科では、エックス線治療、陽子線治療と併用して動脈から抗がん剤を入れる超選択的動注化学療法を行い、良い成績をあげています。

当科は、口腔がん治療を推進し、患者さんに最良の治療を総合的に進めております。しかしながら、やはり進行した大きな癌であったり、頸(くび)のリンパ節や肺に転移があったりする場合は治しにくくなります。口腔がんは口の表面に発生するので、直接目で見て触ることができます。ということは、早期発見、早期治療が可能です。おかしいと感じる方は、なにはともあれ口腔外科を受診してください。

顎関節症

固い物を噛んだり、急に大きなあくびをしたり、歯ぎしりやくいしばりの癖があったりすると、顎関節やその周囲の筋肉に痛みを生じる事があります。筋肉のみの痛みであれば、筋肉のマッサージや温めることで改善することがありますが、治らない場合や関節に痛みがある場合はマウスピースを装着することで改善することができます。ごくわずかですが治らない場合があります。その場合はMRIの撮影を行って顎関節を精査し、必要があれば関節内を洗浄します。また、関節内に内視鏡カメラを挿入して中をよく観察し、手術をするかどうかなどを判断することもあります。

顎変形症(受け口など)

当院の非常勤医師である矯正歯科専門医と連携し、受け口や顎の変形、矯正治療だけでは治すことが困難な骨格的な咬み合わせの異常に対し、手術にて対応しています。顎の骨を切り、咬み合わせを正常位置に移動し、チタン製のプレートなどで固定をすることによって改善を図ります。

口の中から切開を加えますので、基本的に外から傷は見えることはありません。また後述する口蓋裂の患者さんなどは上顎の骨の成長発育が遅いために相対的に受け口となりやすく、成長してから本手術を受けることもあります。

手術後も、咬み合わせや顔面の審美性を維持すべく定期的に経過観察を行っていきます。

口蓋裂

唇顎口蓋裂は、頭頸顔面領域において最も頻度の高い先天性疾患であるといえます。口唇裂は出生後数か月で形成手術をします。口蓋裂は上顎(口蓋)の一部が欠損しているため、口と鼻が交通しています。そのため生後1~2歳で閉じる形成手術を行われることが多く、これによって鼻から抜けるような声(開鼻声)の改善が見込まれます。しかしこの場所は口とは交通しなくなったとしても骨や歯がありません。前歯ですので、審美性や発音機能性に本人も気にすることが多いです。成長するにつれ、義歯やインプラント埋入などを検討する時期がきます。当科ではそのために腰の骨(腸骨)から骨または骨髄を取り、義歯やインプラント治療がやりやすいように、その上顎の骨の間隙に骨を移植しています。

顔面外傷

交通事故、スポーツ事故、転倒転落、喧嘩などで救急外来に来院される方が多いです。上顎骨折、下顎骨折、頬骨弓骨折、眼窩底骨折、これらの組み合わさった複雑な骨折などを取り扱っています。頭頸部領域は顔の知覚や運動を司る神経や脳に向かう血管など重要な組織が密集しています。頭頸顔面領域の解剖を熟知した経験豊かな医師が対応します。

通常、上顎や下顎の骨が折れた場合、チタンでできたプレートで折れた部分を整復していきますが、1年程してから再度手術して抜去しないといけません。

当科では特に下顎以外の骨折に対しては積極的に吸収性プレートを使用し、手術回数を最小限にするよう心がけています。また、外傷時に歯が折れたりして欠損した場合にもインプラント治療などで適宜対応するようにしています。

唾液腺の病気

口が乾くドライマウスが高齢者に急増しています。その中でも最近テレビなどで話題になっている難治性のシェーグレン症候群のような特殊な疾患なども診査・診断・治療を行っています。それ以外でも唾液腺の炎症や腫瘍などの治療も行っています。

口腔心身症

ストレスなどで生じる舌痛症などを心のケアを行いながら積極的に対応していきます。最近少しずつ増加傾向にあります。本症はストレスだけでは解明できない不定愁訴も含まれます。中には重大な疾患の初期症状である可能性もありますので、それを見落とすことないよう患者様の話を傾聴し、慎重に対応しています。

顎顔面補綴

事故や癌の手術などにより顎の欠損や顔面の皮膚欠損の患者さんに対し、義顎など高度な補綴治療を行っています。

インプラント

歯が欠損したところに人工の歯根(チタン製)を埋入し、歯をかぶせます。ブリッジのように両隣の歯を削ることもなく、入れ歯のように違和感が強くでることもありません。歯と同じような感覚で食事をすることができ、審美的にも問題ありません。当院ではインプラント用CTを導入し、安全かつ確実性のある治療を実践しております。昨今報道されているインプラント治療に関するトラブルは正しい診断、正しい手術、正しい管理がされていないために起因するところが多いと思われます。

当科ではインプラント症例数豊かな医師が担当し、チームとなって治療方針を決定し、術前から術後まで長期的に対応します。また、インプラント埋入するために不十分な骨の量の患者さんには骨を造り上げる手術も行っています。

嚥下リハビリテーション

嚥下リハビリテーション 当院の口腔外科では摂食嚥下リハビリテーション(嚥下リハ)に積極的に取り組み、口腔外科医師・歯科衛生士・言語聴覚士が協働してチームで入院・外来の患者さんのリハビリテーションにあたっています。入院患者さんには365日体制で嚥下機能評価・嚥下リハビリの依頼に即応できる体制を整え1ヶ月で約150名程度の新規患者さんに対応しています。口腔外科医師を中心に嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査といった嚥下機能の精密検査も実施しています。また、嚥下リハを必要とする患者さんは口腔内治療や口腔ケアを必要とする方が多く嚥下リハと口腔ケア・口腔内治療をチームで推進することで誤嚥性肺炎などの合併症予防に取り組んでいます。さらに、嚥下障害と栄養障害は密接な関わりがあるためNST(栄養サポートチーム)委員会にも所属し栄養管理に貢献できるよう取り組んでいます。摂食嚥下障害の患者さんをさらにサポートしていけるよう、NST専門療法士や日本摂食嚥下リハビリテーション認定士などの資格を取得し臨床・研究に取り組むとともに院内・地域で研修会を行い病院全体・地域全体でのサポート体制の構築にも取り組んでいます。

口腔ケア

大きな手術や抗癌剤・放射線治療を行うと必ず免疫力が低下します。すると必ずと言っていいほど、口腔内の細菌が悪さをします。それにより大事な治療を中断したり、中止になったりすることがよくあります。口腔ケアと言うと口の中のお掃除というイメージが強いですが、ただのお掃除ではなく、全身管理の一つであるという認識を持ってください。 当科では積極的に口腔ケアを行い、虫歯や歯周病の予防だけでなく、咀嚼・嚥下・会話などの摂食や発語機能の維持、口臭予防、味覚改善を行います。また、口腔内細菌による誤嚥性肺炎などの全身疾患への予防も行っています。その結果、患者さんのQOLの向上を目指しています。

広告掲載について