健康ひとくちメモ

「そら豆」

滋養成分が豊富、食物繊維も

 原産地は中央アジアから地中海沿岸で、わが国には10世紀頃に伝わってきました。さやが天に向かって直立するので「空豆」と名付けられました。豆の形が蚕の繭に似ているので「蚕豆」とも書かれます。
栄養成分は?
 春の盛りに出回るそら豆は植物性たんぱく質に富んだ滋養食品で、糖質・カロテン・ビタミンB1、B2、C、食物繊維などを含みます。ビタミンB1は糖質を分解して乳酸などの疲労物質を体に溜め込まないよう働くため、疲労感を和らげてくれます。ビタミンB2は動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を防ぎ、欠陥の若さを保つのに役立ちます。また、そら豆の脂質には比較的レシチンが多いのでB2とともに働いて血中のコレステロールの酸化を防ぎます。カリウムも豊富で、体内の余分な塩分と結びつき体外に排出する効果があり、血圧を下げ高血圧予防に適しています。カリウムは食物繊維との相乗効果で腎炎によるむくみを解消する効果があると言われています。
調理のポイント
 旬は4月〜6月。出始めのものは皮がやわらかいので皮ごと食べるのがおすすめです。食物繊維がたっぷりとれ、便秘改善に効果的です。生のそら豆は鮮度の低下が早く、「おいしいのは3日だけ」とも言われています。さやの色が濃く、つやのいいものを選びましょう。乾燥に弱いので使うまではさやの中に入れて保存し、調理は加熱しすぎないよう注意します。かき揚げに入れたり、サラダに加えたり、冷製スープにしてみたりと、春色グリーンのそら豆を上手に使用して食卓へ是非並べてみてください。
(参考「食の医学館」栄養管理科 濱尾 理沙)
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