ワンポイント・リハビリ
脳卒中の急性期リハビリ
できるだけ早い時期から
 「脳卒中」は発症後間もなく亡くなる人もいれば、後遺症をほとんど残さず日常生活に戻れる人もいます。しかし患者さんの多くは何らかの後遺症を抱えているのが現状であり、寝たきりの原因の4割が脳卒中といれています。寝たきりにならないためには、適切なリハビリテーションを行い、失われた機能を最大限まで取り戻すことが重要です。
 
 急性期のリハビリテーションは、できるだけ早い時期から始めます。最近では、発症して手術を受けた場合でも、その翌日にはリハビリを始めることが多くなっています。
 
 患者さんを寝かせたまま動かさないでいると、筋肉や骨が衰えたり関節が固まって動かしにくくなる「廃用症候群」が起こり、その後のリハビリが難しくなります。急性期のリハビリをできるだけ早く始めるのは、廃用症候群を防ぎ、機能が失われるのを最小限にとどめる為です。脳卒中で壊死した脳細胞の周辺には、死んではいないものの機能が停止している“仮死状態”の脳細胞があります。急性期のリハビリには、こうした脳細胞に刺激を与え、機能を回復させる効果もあると考えられています。また、急性期リハビリをすぐに始めたほうが、しばらくしてから始めた場合よりも早く退院でき、亡くなる人の割合も減ることがわかっています。

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