薬局だより
薬のリバウンド現象
病気が改善しても勝手にやめないで
 よく患者さんから「症状が良くなったら薬をやめてもいいですか?」という質問を受けます。大まかに分けると薬は
@症状がおさまってきた時に止めてもいいもの
A処方された分を飲みきったほうがいいもの
の二通りあります。@は下痢止め、風邪薬(咳止め、鼻水止めなど)などの対症療法薬(今ある症状を和らげ、自然治癒の手助けをするための薬)です。Aは仮に症状がなくなったとしても、勝手に服用をやめてはいけません。急に薬をやめると「リバウンド現象」といって、反動からかえって症状が悪化することがあるからです。例をいくつか挙げてみましょう。
 
☆高血圧の薬
血圧が下がって安定すると勝手に服用をやめてしまうことがありますが、血圧が反動的に上昇し心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす場合があります。
☆潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)の薬
痛みがおさまったから、と服用をやめてしまうと、残った潰瘍部分から出血する場合があります。
☆抗生剤
薬によって細菌が死んでいくと症状が軽くなり、治ったように思ってしまいます。しかし服用をやめるとその抗生物質に抵抗力を持った細菌が増え始め、以前より治りにくくなる場合があります。
☆ステロイド薬
アレルギーなどでステロイドを使用している場合、症状がおさまったからといって使用をやめると、かえって症状が悪化することがあります。
 
 リバウンド現象を防ぐため、症状が一時的に良くなっても薬の量を減らしたり、弱い薬に変更しながら徐々にやめていきます。自己判断で薬をやめることはせず、医師の指示通り正しく服用することが大切です。
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