かぜを引き起こすウイルスにはさまざまな種類があります。インフルエンザもそういった「かぜ」の一種ですが、ふつうのかぜとは区別して扱われています。それは、普通のかぜと比べて症状が重い上、大流行をしやすいためです。
インフルエンザウイルスは、感染力が強いことが知られています。ウイルスは感染した人の咳やくしゃみによってまき散らされ、空気中を漂います。そのウイルスを吸い込むと、のどの粘膜などから体内へ侵入し、細胞が侵されるのです(下の図参照)。
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インフルエンザの症状 |
インフルエンザウイルスに感染すると、1〜2日の潜伏期を経たあと、ふつうのかぜより重い症状が現われます。突然39度以上の高熱がでて、頭痛、関節痛、筋肉痛、だるさなどがみられます。ふつうのかぜによくみられる、咳や鼻水はあとからでてきます。とくにつらい状態は3〜4日続き、完全によくなるまでには10日ほどかかります。
インフルエンザウイルスに感染して身体の抵抗力が落ちると、ほかの細菌やウイルスにも感染しやすくなります。このため、肺炎などの合併症や二次感染を起こしやすいのです。場合によっては命に関わることもあるため、お年寄りや小さな子ども、肺や腎臓などに病気がある人は、とくに注意が必要です。
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予防接種の受け方 |
インフルエンザの予防には、予防接種が有効です。予防接種を受けると、身体のなかでインフルエンザウイルスに対する抗体がつくられます(下の図参照)。接種を受けておけばインフルエンザにかかりにくくなりますし、万が一発症してしまっても、重症化や合併症を防ぐ効果があります。
予防接種を行なってから抗体ができるまでは2週間ほどかかります。流行が始まるのは12月くらいからですので、11月中に接種しておくことが望ましいとされます。通常は1回接種ですが、乳幼児など免疫が弱いと思われる場合は、2〜4週間ほど間隔をあけて2回接種します。また、次に該当する人は、とくに接種が勧められます。
□乳幼児、65歳以上の高齢者…重症化したり合併症を起こしやすい
□学校・保育園・幼稚園・介護施設の利用者…集団感染をしやすい
□呼吸器、心臓、腎臓に疾患がある人、糖尿病の人…もとの病気が悪化したり、合併症を起こす危険がある
インフルエンザの予防接種にはほとんど副作用がありませんが、不安な点があれば医師に相談してください。なお、接種当日に熱がある人、強い卵アレルギーがある人、生後6か月未満の乳児は予防接種を受けることができません。
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インフルエンザを予防する |
インフルエンザの予防法は、ふつうのかぜと同じです。病気に対する抵抗力をつけ、またウイルスに感染しないよう、次のような点に気をつけましょう。
○睡眠を充分にとり、疲れをためない
○バランスのよい食事を心がける
○厚着をしすぎない
○帰宅後はうがい、手洗いをする
○人が集まる場所へは行かない
○外出するときはマスクをする
○室内ではこまめに換気をする
○加湿器などを使い、乾燥のしすぎを防ぐ
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インフルエンザにかかってしまったら |
インフルエンザにかかってしまったら、安静、保温、保湿を心がけ、早めに医療機関を受診してください。かかり始めであれば、インフルエンザに有効な薬が処方されることもあります。
また、インフルエンザウイルスは非常に感染力が強いため、他の人にうつさない気配りも大切です。仕事や学校は休み、外出を控えます。咳やくしゃみでウイルスをまき散らさないよう、マスクを着用しましょう。 |
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