メディカル用語集  〜なるほど・ザ・ワード〜

リコピン

 深紅色をした天然色素リコピンは、動植物に含まれるカロテノイド色素の一種です。
 カロテノイド色素には抗酸化作用がみとめられていましたが、なかでもリコピンには非常に強い抗酸化作用があることがわかり、近年注目を浴びています。
 ちなみに抗酸化作用とは、体内の活性酸素を消去する働きのことをいいます。活性酸素とは、普通の酸素と比べて非常に酸化力の強い酸素のことで、元もとは、人間の体内に侵入する細菌などを退治したり、化学物質を無毒化する役割をもっています。しかし、その強い酸化力は両刃の剣ともなり、体内で活性酸素が過剰になると、身体の組織までも傷つけてしまうのです。こうした活性酸素の作用は、がんなどの生活習慣病や細胞の老化をすすめる原因になるといわれています。
 リコピンは、この活性酸素を消去する作用が強く、そのため、がんや老化などの予防に効果があるといわれています。また、それ以外にも、健康によい影響を及ぼす効果を秘めているといわれ、研究が行なわれています。
 リコピンを多く含む野菜の代表格は真っ赤なトマトです。リコピンは脂溶性であるため、生で食べるよりも、油を使って調理すると、体内での吸収率があがります。
  
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2006年1月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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