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『除細動』

 昨年開催された、愛・地球博で「AED」と書かれた消火器のような箱をご覧になった方もいらっしゃると思います。あの箱のなかには「自動体外式除細動器」が入っていました。どのようなものでしょう?
 あまり耳慣れない『除細動』という言葉ですが、これは、心室細動(心臓の筋肉が痙攣して、血液を送りだせなくなる状態)を発症した患者さんに電気ショックを与えて、心臓の痙攣を取り除くことをいいます。
 心室細動が起きると、3〜5秒で意識不明、呼吸停止となり、3〜5分で脳死状態になるといわれています。通報から救急隊員が駆けつけるまでは、約6分。この間の処置が大切なのはいうまでもありません。そのため、従来は医師や救急隊員しか行えなかった除細動を、平成16年7月からは、その場に居合わせた一般の人でも行えるようになりました。あの箱のなかは、そのようなときに使用する救命機器だったのです。
 愛・地球博でも、男女3人で会場に訪れていた医大生が、「AED」を使用して患者さんを救命したという報告がされていました。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2006年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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