●帯状疱疹とは |
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多くの方が、子どもの頃に水ぼうそうを経験されたと思います。この発症原因となっているのが「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、感染者の体内でウイルスに対する抗体がつくられ、水ぼうそうが治癒した後、神経の根元にある神経節に潜伏します。普段は抗体の力で押さえ込まれていますが、病気や疲労・ストレスなど免疫力を低下させる要因が重なると、ウイルスは再度活性化して増殖し、深いところにある知覚神経を通って表面の皮膚に作用し、痛みを伴なった水疱の群れを作ります。これが、帯状疱疹です。
帯状疱疹は、脇の下から胸部・腹部にかけてと、額からまぶた・鼻にかけて症状がでやすく、神経に沿って身体の左右のどちらか一方に、帯状になって症状がでるのが特徴です。
また単純ヘルペスと混同されやすい病気でもあります。 |
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●帯状疱疹の発症からの治癒 |
帯状疱疹の症状は、ピリピリするような痛みや違和感、軽い発熱などの『知覚症状』から始まり、1週間ほどで、知覚症状を強めながら『皮膚症状』へ進行します。
皮膚症状は、赤みを帯びた小さな水疱の群れが現われ、1週間〜10日でつぶれ、赤くただれたような状態になります。このただれは数日でかさぶたになり、やがて剥がれ落ちます。こうして皮膚症状はおさまり、知覚症状も消えます(表1)。 |
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●帯状疱疹後神経痛
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帯状疱疹で最も心配なのは、皮膚症状がおさまった後、神経痛などの後遺症を生じる場合があることです。
こうした後遺症は「帯状後神経痛」とよばれ、つらい痛みが長く続きます。人によっては、日常生活に支障をきたすほど悩まされるケースもあります。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が重症化した場合に起こりやすく、高齢者の方や糖尿病(糖尿病によって血管や神経がすでに傷ついている)の患者さんに高い割合で起こっています。
帯状疱疹後神経痛の原因は、2つ考えられています。
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帯状疱疹を患っていたときの痛みが強く、その痛みを「痛みの記憶」として脳が記憶してしまい、生理的な痛みとして復元する。 |
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帯状疱疹を起こしたウイルスが神経に損傷や変性をもたらし、痛みを発生させる。 |
こうしたリスクを減らすにはどうしたらよいでしょうか? |
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●帯状疱疹の早期治療 |
帯状疱疹後神経痛の有効な予防は、帯状疱疹に対し、早期治療を行なうことです。ウイルスの増殖は、皮膚症状の発症から72時間(3日)でピークに達します。
その前に治療することで、帯状疱疹を重症化させないようにするのです。
早期治療のためには、できるだけ早く、本人が症状に気づく必要があります。原因不明のビリビリした痛みがでたら、皮膚症状が現われていないか、観察してください。
後遺症で悩まないためにも、皮膚症状が現われていたら(皮膚症状が現われる前の受診が望ましいのですが)すぐに受診することをお勧めします。
なお、帯状疱疹の治療では、抗ウイルス薬や、非ステロイド系消炎鎮痛剤などの外用薬や内服薬を用いた薬物療法が行なわれます。痛みがひどく重症の場合は、神経ブロック療法(健康保険適用)を併用するケースもあります。 |
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単純ヘルペス(単純疱疹)とはどんな病気? |
「単純ヘルペスウイルス」の感染が原因で発症する病気。帯状疱疹とはウイルスの種類、感染経路が異なる。
身体のどの部分にもウイルスが感染する可能性があるが、多くは口(主に唇の周り)や、性器の粘膜や傷口を介して感染し、それらの周辺に発症する。何度も再発を繰り返すのが特徴。
「疱疹」と「ヘルペス」は、どちらも同じ『水疱状の皮膚疾患』という意味。帯状疱疹は「帯状ヘルペス」といわれることもあります。
帯状疱疹と単純ヘルペスは、別の病気。でも、このようなよび方から、混同されることが多いのです。 |
型 |
主な分類 |
特徴 |
T型 |
唇ヘルペス |
唇やその周りに水痘が現れる。1年に数回、再発する。 |
ヘルペス性歯肉口内炎 |
歯肉や口内の粘膜に症状が現れる。
乳幼児の初感染に多い。 |
カポジ水痘様発疹症 |
アトピー性皮膚炎と単純ヘルペスを合併したときになる。 |
U型 |
性器ヘルペス |
性器に症状が現れる。主に性行為によって感染する。再発しやすい。
※U型の性器ヘルペスの症状は軽いが、T型の場合、初感染のときは重症化しやすい。 |
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