介護の和恵袋

今月のテーマ「成年後見制度について」  
 
 お年寄りを狙った悪徳商法・詐欺は、 人間の「感情」や 「判断力の衰え」につけこみ、だましたあとは「契約」を盾にします。こうした事態に陥らぬよう、あらかじめ私たちを守る、よい知恵はないでしょうか?  
 年齢を重ねるにつれて増していく力が、私たちにはあります。 慈しみ育てる力、生きる知恵。こうした力を、私たちは財産として大切に伝えてきました。  
 一方、年齢を重ねることは、ときとして、厳しい問題をもたらすことがあります。認知症などによる「判断力の衰え」も、そのひとつです。  
 そうしたとき、私たちをサポートしてくれる制度が「成年後見制度」です。

成年後見制度とは―
 成年後見制度は、ご本人があらかじめ選んだ後見人(任意後見人)や裁判所によって選定された後見人(法定後見人)が、本人の意思を尊重したうえで、契約を結ぶときのサポートや代行、不動産や預貯金などの財産管理を行なう制度です。  
 この制度のメリットは、契約を悪用してお年寄りの財産を損なうようなケースから、ご本人やご家族を守れることです。例えば、購入や発注の意思がなか ったお年寄りに対して業者が強引に結んだ契約を、成年後見人は無効にすることができます。

制度を利用するには―
 ご本人・配偶者・四親等内の親族、およびお住まいの地域の市町村長であれば、家庭裁判所で制度の申し立てができます。  
 ただ、後見を受ける方は、医師・弁護士など一定の資格を必要とする職業や会社の取締役に就けなくなり、選挙権も失ないます。  
 制度を正しく理解するために、一度、行政機関が主催する無料相談会を利用して、専門家(弁護士や司法書士など)に詳しい説明を受けたほうがよいでしょう。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2008年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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