介護の知恵袋
今月のテーマ
「施設に入れるのは後ろめたいこと?」  
 

 介護のストレスから起きる不幸な事件。老齢の方が介護者となる「老老介護」という現実。これからの時代、介護の充実を図るとともに、介護をするご家族の負担をどう減らしていくか―私たちは、それを真剣に考えていかなければなりません。
 
 
●後ろめたさの理由          
 かつての養老院は、戦争や災害で家族や身寄りを失い、自立した生活が困難になった高齢者を救済するために設立されました。しかし、福祉の歴史がまだ浅く、理解が得にくかった時代、施設に対するいわれのない偏見もありました。
 介護者が施設を利用することに後ろめたさを感じるとしたら、こうした歴史的背景もその理由としてあるように思います。
●現在の長期入所型介護施設
 福祉の充実は、介護施設を大きく変えました。  
 現在の長期入所型介護施設は、様々な条件で選べる有料老人ホームの他、介護保険が適用される特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護療養型医療施設などがあります。これらの施設はそれぞれが異なる特徴をもっていますが、日常の介護だけでなく、リハビリテーションや医療上のケアなど家庭では難しい介護にも力を注ぎ、要介護者の回復を目指しているという点では、訪問・通所・短期入所型の介護施設とその意思を共有しています。  
 こうしたことからも、長期入所型の施設を利用することに、かつての時代とは違う、より積極的な意味を見いだすことができるのではないでしょうか。
 
●介護で悩まれている方へ
 在宅介護の負担があまりにも大きいと感じておられるご家族の方にとって、施設の利用を検討してみることは大切な選択肢のひとつだと考えます。そこで一度、ご家族全員で実際に介護施設を見学されてみてはいかがでしょうか。  
 施設の利用者や介護スタッフの話を聞き、ご自身の目で施設の状況を確かめることは、施設に対する認識を変え、介護の悩みに新たな希望をもたらすかもしれません。
 
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2008年10月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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