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ステップ1 自分の状態を知る
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生活習慣病の予防・改善には、健康的な体形の維持や減量が重要です。しかし、減量し過ぎたり、やせる必要のない方が減量したりして、健康を害してしまっては、本末転倒です。
そこで、自分の状態を知り、自分がどのくらい太っているのか、本当にやせる必要があるのか、客観的に把握しておく必要があります。
その基準として活用できるのが、BMIと体脂肪率です(表1参照)。これらの数値を調べ、減量の必要性を判断しましょう。 |
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ステップ2 肥満の要因を探る |
ステップ1で書いた基準値を越えてしまう要因は、いくつかあります(表2参照)。それらのひとつひとつを、自分の日常生活と照らし合わせて、解消していく必要があります。
例えば、食事の量はそれほど多くないのに太っている、という方の場合、毎日のように間食や夜食を食べている、夕食の時間帯が遅い、まったく運動らしい運動をしていない、などの原因が考えられます。
このように、自分の日常生活を見直して、改善点を探ってみましょう。 |
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ステップ3 要因を改善する |
ステップ2で紹介したような要因がわかったら、そこに重点を置きつつ、総合的に生活習慣を改善していきます。
ただし、無理は禁物。このあと、それぞれの要因の改善方法をご紹介しますが、すべて「できる範囲で行なう」ことが大切です。
なお、ステップ1で減量の必要がないと判断された方も、健康的な生活を送るためのヒントとなりますから、ぜひ、参考にしてください。 |
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・食生活を見直す
暴飲暴食や過度の間食・夜食は、控えるようにします。また、早食いは、食べ過ぎのもと。よく噛んで、ゆっくりと食べてみましょう。加えて、脂質や糖質の摂り過ぎにも注意してください。
ただ、「食事の量を減らす」といっても、急激に減らしたり、1日2食にしてしまうのは、健康的ではありませんし、精神的にも負担がかかります。1日3食をきちんと食べ、腹八分目を心がけてみましょう。
なお、「それほど量は食べていない」、「脂質・糖質は少ないはずだ」と思っていても、意外と食べていることがあります。減量を始める前に、1週間分の「自分が飲食しているもの(間食・夜食含む)」を書きだしてみると、いいと思います。 |
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・運動不足を解消する
運動をしないと、太るだけではなく、やせにくい体質になります。この体質を改善するためにも、適度な運動を心がける必要があります。
ただ、これといった運動をしていない方は、「何をやればよいのかわからない」と思われるかもしれません。また、急に過剰な運動を始めて、身体を痛めたり、体調を崩してしまっては、意味がありません。
ですから、まずは身近なことで、身体を動かしてみてください(例・エレベーターなどを使わずに階段を昇る、短い距離なら自動車などを使わず、歩いたり自転車に乗る、部屋の掃除を率先して行なうなど)。また、身体に過度な負担がかからず、無理なく日常生活に取り込みやすい運動や体操(腕立て伏せ5〜10回程度の運動、簡単なストレッチ、ラジオ体操程度の体操など)を始めてみるのも、いいかもしれません。 |
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・家族でダイエット!
遺伝的に太りやすい体質は、確かにあります。しかし、それ以上に重要なのが、家庭環境です。例えば、脂質や糖質の多い食事を好み、身体を動かす習慣がない家庭環境であれば、家族全員が太りやすくなるのは当然です。
食生活の見直しや運動不足の改善などを、家族全体で取り組んでみてはいかがでしょうか。 |
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ステップ4 減量は長期戦。無理をしないで・・・
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時折、無理をして、短期間でかなりの減量をされる方がいらっしゃいます。確かに、やせることはよいことなのですが、無理な減量は、肉体的にも精神的にも負担をかけますし、脂肪を溜め込みやすい体質(リバウンド体質)にもなりかねません。
減量をされる場合は、減量開始時の体重の5〜10%程度を、半年〜1年くらいかけて減らすのが理想的です。また、体脂肪を減らす場合も、焦らず時間をかけて行ないましょう。
なお、体重と体脂肪率を毎日、できる限り同じ時間に測ってみてください。始めは思うように数字が減らないと思いますが、徐々に成果が現れてくるはずです(減量後や太っていない方も、健康維持の一環として、測定することをお勧めします)。
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減量は、「減量に成功したこと」が ゴールではありません。減量後の体重や体型を維持し、身体を健康的な状態に保つことが、最終目標ですから、無理なく継続できる生活改善 を行ない、いつまでも元気でいられるようにする減量が、健康的な減量といえるのではないでしょうか。
生活習慣病予防のために、今年こそ、チャレンジしてみませんか? |
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〔コラム〕 ○○ダイエット法って、健康的? |
よくテレビや雑誌などで「○○ダイエット法で減量に成功!」といった言葉を見聞きします。
もちろん、なかには健康的に減量できそうなダイエット法もありますし、医師の推奨や監修を受けている場合もあります。
ただし、あまり健康的とはいえないダイエット法や、減量に成功するかどうかすら疑わしいダイエット法も、多く存在します。また、医師の推奨や監修を受けていても、他の医師からみれば、首をかしげたくなるようなダイエット法もあります。 |
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とくに注意したいのが、単一食材に頼ったダイエット法や、極端な食事制限を必要とするダイエット法です。これらのダイエット法は、摂取する栄養素が不足しがちになりますから、体調を崩しやすくなります。女性の場合、月経不順や骨粗鬆症の危険性を高める原因にもなります。
やはり、適量の食事と適度な運動を心がけ、時間をかけて減量したほうが、健康的といえるでしょう。 |
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−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2009年1月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載 |
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