お年寄りは病気になっても、若い人のように症状がはっきりとでないことがあります。
体調の変化に気づかずそのままにしていたら、いつのまにかすっかり悪化してしまうケースも見うけられます。また、お年寄りの病気は長引きやすいもの。ふだんの健康状態をしっかり把握しておき、異常を早期に発見することが大切です。
日常からお年寄りの状態を観察する習慣をつけるようにしましょう。顔色、表情、全身状態、食欲や睡眠、言葉づかいや態度など、変化がないか注意してください。お年寄りが体調不良を訴える時は、聞き流さずによく耳を傾け、全身状態を観察します。気になることがあれば、かかりつけ医に相談しましょう。
体温は病気を知る手がかりとなるので、できれば毎日測るとよいでしょう。また、通常時の脈拍や呼吸、血圧を知っておくと、体調が変わった時に参考にできます。
介護日誌をつけて健康状態を記録しておくと、お年寄りの状態をより客観的に知ることができます。また、診断や治療の際に助けとなります。
日常の健康チェック
表情苦痛・不快・不安・ぼんやり
目目の輝き・涙・めやに・充血
口唇の色・口臭・舌や歯の状態
のど痛み・飲み込み・声がれ・せき・たん
皮膚発赤・乾燥・むくみ・かゆみ
便・尿量・色・回数・におい・痛み
食欲量や嗜好の変化
痛みどこが、どの程度、いつ、どのように
睡眠熟睡できているか
その他体重の増減・物忘れ・歩き方・言葉づかい・態度
体重の測り方
○食後や運動後は体温が上がるので避け、安静時に測定する。毎日同じ時間帯に測るとよい。
○測定する部位によって体温に差があるので、常に同じ部位で測る。一般にはわきの下がよい
○体温計がはずれないよう気をつける。腕を前にするとよい。
○決められた時間測る。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載