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口蹄疫(こうていえき)

口蹄疫

 5月、「口蹄疫(こうていえき)」という、比較的聞きなれない言葉をよく耳にするようになりました。口蹄疫とは、偶蹄類(偶数ひづめの蹄をもつ哨乳類の動物)の家畜(牛・豚・羊・山羊など)や野生動物(ラクダや鹿など)に、ウイルス感染が原因で起こる病気です。こうした動物が口蹄疫に感染すると、発熱したり、口のなかや蹄の付け根に水ぶくれができたりするなどの症状が起こります。

 昨年は、新型の鳥インフルエンザが流行し、連日大きく報道されました。口蹄疫と新型鳥インフルエンザとのもっとも大きな違いは、口蹄疫は、人間には感染しないことです。また(新型の鳥インフルエンザも同様ですが)、牛肉や豚肉を食べたり、牛乳を飲んだりしても、人間が口蹄疫にかかることはありません。さらに食料品には、口蹄疫に感染した牛や豚の肉などが流通しないための措置もとられています。

 食品に関するウイルス性の病気の場合、畜産関係者にとって深刻な問題は、家畜の病気だけでなく風評被害が起こることです。

 私たちの暮らしを支えている畜産。正しい情報・知識に基づき、地域社会や経済、さらには食文化を守るという姿勢が、私たちにも必要なことではないでしょうか。 また、口蹄疫は偶蹄類動物間のウイルスの感染力が非常に強いのが特徴です。感染拡大の防止のため、飼育動物を速やかに埋葬処理する法律ができています。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年7月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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