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噛んで脳を活性化

 6月から7月にかけて開催されたサッカー・ワールドカップ。日本代表の活躍により、大きな話題となったことも記憶に新しいところです。サッカー選手のなかには、ガムを噛みながらプレーしている選手もいました。最近、こうしたプレーヤーの姿を、野球でもよく観ます。ガムを噛みながらスポーツというと、なんとなく抵抗感もありますが、実は、プレー中にガムを噛むことには、ある意味があるようです。

 

 噛むときに使うあごの筋肉。この筋肉を使うことによって、脳内の血流量が増えて、脳の働きが増すようになります。その結果、記憶力や集中力、判断力が高まります。  

 運転中、眠気を防止して運転に集中するため、ガムを噛む方も多いと思います。そこには、ガムの味による効果だけではなく、噛むことで、脳へ刺激を与える効果もあるようです(ただし、運転中に強い眠気を感じたら、安全なところに車を停めて、仮眠をとるようにしてください)。

 この10年余り、脳の研究は大きく進歩したといわれています。そして、噛むことは、脳の「海馬」を刺激するということが分かってきました。

 海馬は、「近時記憶(最近起こったことに関する記憶)」に関係すると推測される部分です。このことから、よく噛むことは、認知症の予防にもつながるのではないかと期待されています。

 柔らかい食べ物が増えている現在の私たちは、戦前の日本人に比べて、一回の食事で噛む回数が、半分以下に減っているというデータがあります。

 よく噛んで食事を摂ることを習慣にしましょう。食べるときは、口に含む量を少なめにして、「ひと口=30回噛む」ことを心がけるとよいようです。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年8月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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