介護の知恵袋

衣服の選び方

 朝起きたときと、夜寝る前。1日2回の着替えは、介護においても習慣にしたい大切な日課です。ところで、介護を受けている方の衣類は、どのように選んでいますか?着心地を考えて、肌触りがよく、吸湿性のある素材のものを選んでいる。そのほかには、どうでしょう?

着替えやすさを

 介護をしている方の衣服を選ぶとき、着替えの「させやすさ」を優先してしまうことがありませんか? 骨折などの理由で、脱ぎ着に苦痛がともなう場合は、状態に合った衣服を選ぶ必要があります。  

 しかし、自分で服の着替えができるようであれば、着替えも、リハビリに役立っていることを考慮する必要があります。そこで、衣服選びは、着替えの「しやすさ」にポイントを置いて選ぶようにしてみましょう。

 着替えやすい衣服の条件としては、前開きでゆったりとしたデザインであること。サイズは、ワンサイズ大きいほうが、着替えやすい場合も多いようです。袖口や裾は、少し絞り気味であること。そして、大き目のボタンがついているものか、ボタンの代わりにマジックテープを利用したものが適しています。

 

おしゃれを楽しむ

 私たちは、お年寄りが好むであろうと着たがる服を決めつけてしまいがちです。 オードリー・ヘプバーンやグレース・ケリーが存命ならば、今年で81歳でした。 マリリン・モンローは、彼女たちより3歳年上。日本の有名人では、今年、森光子さ んが90歳になられました。こうした人たちと同時代を生き、映画や芝居に親しんできた方のなかには、ファッションに高い関心をもっている方も少なくありません。

 服装の変化は、気持ちも変えてくれます。衣服の購入時には、相手の好みをよく聞き、服装に関心をもってもらうことも、暮らしに明るさをもたらす、ひとつの大切な要素になります。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年9月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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