介護の知恵袋

お年寄りの心

 介護保険施行により、ざまざまな高齢者介護サービスがより身近なものとなりました。自宅にいながら受けられる「居宅介護サービス」、介護保険施設に入所しながら受ける「施設介護サービス」があり、具体的には食事、入浴、排せつ、リハビリテーションなどのサービスが受けられます。

 こうしたサービスはたしかにお年寄りの生活を助けますが、それでも心のケアまでは、なかなか補いきれないものです。生活の不安やさびしさなど、お年寄りの心はとてもデリケート。絶えず揺れ動いています。


 お年寄りは、ついわがままを言ってしまうこともあれば、言いたいことを言えずにがまんしてしまうこともあります。こうしたことは、相手が家族であっても、ホームヘルパーさんなどでも同じです。逆に気の置けない家族であればなおのこと、介護する側がかなり辛らつな言葉を、発してしまうこともあるかもしれません。

 お年寄りの不安をやわらげるような、信頼されるような話し方をしたいものです。介護される側もする側も、心にゆとりがあれば、笑顔を絶やぎずにいられるはずです。

 昔の思い出や趣味の話、最近の体調など、お年寄りの話を真剣に聞くようにしましょう。お年寄りの心の健康は、周囲の人のやさしい気づかいで守れます。持病があれば、かかりつけ医など専門家とよく相談、その病気を理解し、適切な対応を学ぶようにしましょう。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年10月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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