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ポリフェノールの力

 20年ほど前、「フレンチ・パラドックス」という言葉が生まれました。フランス人の食生活は高カロリーなため、心臓系の病気を発症する人が多くても不思議ではありません。しかし、実際には、こうした病気の人が他の国に比べて若干少ないという調査結果が発表されました。そこで注目されたのが、フランスが、その消費量で世界一である赤ワインでした。赤ワインに含まれているポリフェノールが、身体に良い働きをしているのではないかと考えられたのです。 

 

ポリフェノールの力=抗酸化作用

 ポリフェノールは、植物が光合成を行うときにできる物質の総称で、CMでもよく耳にする、カテキン、フラボノイド、イソフラボンなども、ポリフェノールの一種です。代表的な食品は、赤ワイン、コーヒー、緑茶など。苦味や渋味が強く、色の濃い植物の実(特にその皮や種)に多く含まれています。

 ポリフェノールの力、それは、活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」にあります。活性酸素は、体内で必要以上に生成されてしまうと、その酸化・殺菌力によって正常な細胞を傷つけてしまい、様々な病気の要因となるからです。

 

ポリフェノールを上手に摂取するには?

 ポリフェノールには3つほど、大きな特徴があります。実は、ほとんどの植物(食材)に含まれていること。摂取してから3〜4時間ほどしか持続効果がないこと。また、ポリフェノールは熱に強いため、加熱調理しても、その損失が少ないことです。

 ポリフェノールを上手に摂取するにはこうした特徴を踏まえて、まずは、バランスのよい食事を規則正しく摂ることが基本です。

 そのうえで、果物や野菜の皮や種を、これまでより積極的に料理に使ってみるのはいかがでしょう。果物の皮で作るジャムやマーマレード、野菜の皮を利用したきんぴらや酢の物など。これらは比較的手軽にでき、ある程度は日持ちするので、ぜひ食卓に加えたいメニューです。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年2月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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