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新型うつ病

 医学的に病名としては、まだ定義されていない「新型うつ病」。20代〜30代を中心に、心療内科や精神科の病医院を受診する方が増えてきました。

 新型うつ病にはいくつかの点で、典型的なうつ病と逆の症状や傾向が見られます。自分に対する他者からの評価や感情に対して過敏で傷つきやすいこと。過眠や過食など。

 なかでも注目されるのは、新型うつ病患者のうつ症状は、自身の気持ちにともなう症状の変動があることです。嬉しいことや楽しいことがあったとき、あるいは、自分の好きなことをしている時などは、うつ症状が緩和されます(典型的なうつ病患者の多くは、本人にとって好ましいことでも症状が緩和されない傾向がある)。

 さらに、新型うつ病の方の場合、他者に対する攻撃性が強く現れることがあります。これは、典型的なうつ病患者の多くが自身を責める傾向にあるのとは、逆の傾向です。残念なことにこのような病気の特徴から、新型うつ病の患者は、周囲の誤解を受けやすいということがいえるでしょう。

 新型うつ病の治療は、薬物療法の他に、医師のカウンセリングが重要な役割を果たします。その際、典型的なうつ病とは違った対応が、新型うつ病の患者本人に求められることもあります。こうした点を理解し、医師の指導に従うことが、新型うつ病を根治するためには必要です。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年3月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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