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受動喫煙

 たばこを吸わない人が、たばこの煙を吸い込む『受動喫煙』。この受動喫煙の健康被害に関しては、未だに軽視される傾向があるようです。

 昨年、受動喫煙による年間の死亡者の推計は6800人にのぼると、厚生労働省の研究班による調査で発表されました。推計とはいえこの人数は、2009年に交通事故で亡くなられた人数、4914人を大きく上回っています。ちなみにこの調査は、受動喫煙との因果関係がはっきりしている「肺がん」と「虚血性心疾患」による死亡者だけを対象にしています。そして、そのなかから受動喫煙にあっている可能性のある人の割合で計算しており、実際には、さらに多くの方が、健康被害を受けている可能性があるのです。

 たばこの煙には、数千種以上の化学物質が含まれています。そのなかでも、特に多くの発がん性物質が含まれているタールによる健康被害は、受動喫煙者のほうが喫煙者よりも受けやすいことが分かっています。これは、喫煙者がたばこフィルターを通して煙を吸っているのに対して、受動喫煙者は煙を直接吸い込むためです。

 現在、公共施設・飲食店・職場など様々な場所で分煙化が進んでいます。しかし、分煙措置が取られていない場所も、まだ多いのが実情です。このため、法律によって受動喫煙を防止する『受動喫煙防止法』が検討されています。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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