私たちの骨は、コラーゲンというタンパク質にリンやカルシウムなどが付着してできます。その役割は、脳や心臓などの内臓を保護すること。また、身体を支えたり、持ち上げたリします。さらに、カルシウムを貯蔵したり、造血機能もあります。骨は私たち人間の生活維持に、なくてはならない臓器です。
骨粗しょう症の怖いところは、高齢者が、痛みや骨折などによる歩行障害に陥り、ますます閉じこもりになってしまうということです。さらに進むと寝たきりになってしまう可能性が高まります。また、骨粗しょう症によって呼吸機能や消化機能による間接的な悪影響から、健康を害するということもみられます。
中年期を過ぎると骨量が減少していきますが、ビタミンやカルシウムの不足、運動不足、さらに喫煙・飲酒などの要因により、いっそう骨密度を下げてしまいます。また、成長期にカルシウムの摂取が不足することも骨粗しょう症の原因となります。
骨粗しょう症の検査としては、骨密度と骨の質の両方をチェックできる「骨代謝マーカー検査」があります。男性は60歳代後半、女性は50歳代半ばを過ぎたら、ぜひ一度は受けるようにしましょう。
女性の場合、もともと男性に比べて骨量も少なく、閉経後にホルモンのバランスが崩れて骨粗しょう症になることが多く、患者全体の8割が女性です。
予防策としては、食生活と運動。
運動でお勧めしたいのはウォーキング。骨に適度な負荷をかけることで骨を強くすることができますし、脳を刺激するので、認知症予防にもなります。
食生活では、カルシウムやビタミンD、マグネシウムなどを多くとるように心がけましょう。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載