介護の知恵袋

認知症受診の勧め方

 高齢になると誰しもが、今言ったばかりのことを繰り返し言ったり、物忘れがひどくなったりします。それでも、その症状がひどくなり、周囲が「認知症かも?」と感じたら、専門医を受診することをお勧めします。年相応の物忘れなのか、本当に認知症なのかの判断は、とても難しいからです。


「健康診断に行こう」

 本人に病気の意識がないのに、無理やり病院に連れて行こうとすれば、かえって受診をかたくなに拒むようになってしまうこともあります。また、いきなり「最近、物忘れがひどいよ!認知症かもしれないから病院へ行こう」と言われたのでは、気分を害さないはずがありません。

 基本的に本人にうそをつくのはよくありません。プライドを傷つけない気配りとして、役所から「健康診断のお知らせ」が来たから行ってみよう、などと言って、まずは、かかりつけ医を受診するというのがよいと思われます。またその際、説得したり病院に付き添うのは、本人が最も信頼している人がよいでしょう。

 また、あらかじめ医師にも「そんなふうにして連れてきますがよろしく」ということを伝えておく必要があります。要は、本人の自尊心を傷つけないように診てもらえればよいのです。

最初は往診をお願いする

 さらに高齢者医療を行う医療機関の多くで実施している、訪問診療(往診)を利用するという方法もあります。往診に来てもらって、本人が安心した上で、医師や看護師から来院を勧めてもらい、次回からは病院に行くようにできればよいと思われます。

 また、認知症かと思ったら「うつ病」だったということもあります。本人のためにも、やはり早めに医療機関を受診することが得策です。専門の病院へ連れて行く場合は、何科を受診すればよいかなど、予約の際に問い合わせてみてください。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年7月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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