介護の知恵袋

園芸療法

「園芸療法」とは、園芸作業や農作業など、いわゆる「土いじり」を行なうことで、高齢者の身体機能の維持はもちろん、精神面も含めた「健康」を維持しようというものです。欧米ではかなり効果があるものとされています。


日本での現状

園芸療法は、特に欧米では、身体機能の維持や回復、また、やりがいを感じたり達成感を得られるなど、精神面での充実という面からも、様々な効果があるとされています。

しかし日本の現状は、1990年代に入ってから、やっと関心が高まりだすなど、認知度の低さや、その効果の科学的根拠に乏しいなどの理由から、なかなか広まらずにいるようです。園芸作業のできる場が少ないということも、狭い国である日本での大きな問題といえるかもしれません。

それでも、園芸の話題で盛り上がったり、情報交換など、コミュニケーションという点でも高齢者に与える効果は小さくないでしよう。

園芸療法で生活の質(QOL)を向上

確かに、戸外での無理のない土いじり作業は、健康増進に役立つでしょう。花や草木、野菜を育てることからは、収穫するときの達成感や、自分が世話をしなければ枯れてしまうことから、役割を得た喜び(必要とされているということ)なども感じられそうです。

このように考えると、土と緑のもたらす様々な身体的・心理的効果は、生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)の向上に役立ちそうな気がしてきます。鉢植えの花一つを世話することからでも試してみてはいかがでしょうか。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年10月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

トップページへ