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シルバー世代の体力アップ

文部科学省の調査で、週に1回以上何らかの運動をする人の割合が60歳以上の方は男女ともに増加していることが発表されました。「健康ブームが根付いているうえ、昔はなかったスポーツジムなどが身近にでき、生活の中で運動を楽しむ習慣が広がっている」。さらに、「戦後育ちの中高年は栄養や体格面で恵まれていることも向上の一因」。こうしたことがよい結果となって現れているようです。


人間の体力は、40歳代から徐々に低下し、50歳代になると急激に低下すると一般的にはいわれています。これから運動を始めたいという方は、まず、かかりつけ医に相談してください。軽い負担の運動でも重大な事故に繋がることがあります。心臓疾患・高血圧・糖尿病の方は、特に注意が必要です。

運動は、習慣化することによって身体によい影響をもたらします。指導書やマニュアルには、理想的な負荷の運動が紹介されていますが、最初はそれにあまりこだわらなくてもよいでしょう。現在の体力を把握し、無理なく運動を習慣化することから始めます。

運動習慣を身につけるポイントは、心のストレスを生じさせないことです。疲れている時は無理をせず、疲れがとれたら再び始める。このサイクルを根気強く維持してください。また、運動効果が数値に現れないとしても、あまり気にする必要はありません。習慣化された運動の価値には、数値以上のものがあり、その価値は年月が経つほど高まります。

そして、運動そのものを趣味や生きがいとする、あるいは、楽しみとして行なっている別の趣味に運動を組み合わせる、これらの運動習慣を身につけるポイントです。

ストレッチ

ストレッチは、筋肉や関節の伸縮運動を行うことによって、血液の循環をよくします。また、身体の柔軟性を高めることによって、大きなけがをしにくい状態をつくります。骨に刺激を与えることによって骨の成長・活性化を促し、骨密度低下の予防・回復も期待することもできます。

書店に行くと、ストレッチ関連の書籍をいくつも目にすることでしょう。どのようなストレッチが効果的でしょうか?最初は、誰でも経験があり、テレビで実際の動きを見ながらできるラジオ(テレビ)体操がよいかもしれません。

ラジオ体操というと効果を疑問視する声もありますが、実際には、ラジオ体操第一・二と合わせて26種類の運動を7分行なうだけで全身を動かすことのできる、とても効率的で優れたものです。前述としたストレッチの効果だけでなく、脳の活性化にも効果があると、話題になりました。

ウォーキング

ウォーキングは、有酸素運動(たくさんの酸素を使いながら長時間続ける運動)の代表ともいえるもので、健康づくりには欠かせないものです。

平成20年の国民健康・栄養調査によると、日本人の一日の平均的歩数は、男性は約7000歩、女性は約6000歩となっています。

一日10000万歩といった理想的な数値目標がウォーキングにはありますが、これから始める場合、まず普通に生活してご自身がどのくらい歩いているのかを把握しましょう。それが6000歩ならば、いきなり10000歩を自身に課すのではなく、今までの生活習慣に無理なく付け加えるような感覚で、歩く機会を増やすのがコツです。6000歩から6500歩へ、やがて負荷を感じなくなったら7000歩、というようにして、徐々に目標値に近づけて行きましょう。

歩く時間の目安は、連続して30分とされていますが、回数を分けてもほぼ同じ効果が得られます。

ウォーキングは、最初のうちはフォームにこだわらない散歩感覚でもよいのですが、長く歩けるようになると、不自然なフォームでは逆に体を痛める事があります。図を参考に、正しいフォームを意識するようにしてください。


 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2011年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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