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早めに対策「花粉症」

毎年、春が来るのがうっとうしくて、という人がいます。そう、花粉症に悩む人たちです。

その患者は年々増えて、今や5人に1人が花粉症といわれます。その年の花粉飛散予測を知って、早めの対策を取ることが花粉症の症状軽減につながります。


今年の花粉はどんな予想?

まず前年度、11年の気候から12年の花粉飛散予測をしてみましょう。翌年のスギ花粉の量は、花粉を出す雄花の前年の数で決まります。晴れて暑い夏には雄花がたくさんつくられますから、翌年はたくさんの花粉が飛ぶことになります。

11年の夏は、西日本では曇りや雨の日が例年に比べて多く、東日本では晴れの日が続き、暑い夏になりました。それでも全国的な猛暑となった10年よりは雲が多く、気温も低かったのです。そんなことから12年の花粉については例年よりかなり少なめ、11年の約3割ほどという予想です。

また、花粉の飛散量は1年おきに増減する傾向があり、花粉が多く飛散した翌年は少なくなる傾向があります。この飛散量が減る年を「裏年」といい、つまり統計的に見ても、11年よりは少なくなるということになるのです。

さらに地域での詳細な花粉予報は、毎年1月頃になると気象予報と一緒に情報提供が開始されますから、確認するようにして、マスクなどで備えましょう。

どうして花粉症になるの?

スギなどの花粉を吸いこむことによってなる花粉症は、アレルギー性疾患の一つです。

私たちが持つウイルスや細菌を排除する免疫機能は、ときに身体には無害なものに対してまで、過剰な防御反応を起こしてしまうことがあります。

それがアレルギーであり、その一つが花粉症です。

そして一度花粉症にかかってしまうとほんのわずかな花粉に対しても、アレルギー反応が起こります。また、一度発症すると、自然に治るということはありません。

重症化させないためにも早めの対策を

花粉症は、かぜとの判別が難しいのですが、くしゃみや鼻水のほかに、目のかゆみ・涙目や頭重感なども含めた症状が長引くときは、花粉症が疑われます。 医師により花粉症と診断されると、症状などによって薬剤が処方されます。

花粉症は、治療開始が遅くなるほど重症化します。早めの対処が必要です。ひどくなると、日常生活に支障をきたすことも多くあります。

逆に花粉症の人であっても、遅くともその年の、花粉が飛び始める2、3週間前から薬を飲み始めるなどの予防策を講じることで、症状を軽減することができます。

早目に、かかりつけ医に相談しましょう。

生活改善で花粉症を軽減する

花粉症対策で肝心なことは、まず医療機関で検査を受け、原因となる花粉の種類を知って、その花粉との接触をできる限り避けることです。

また、体内に入れないよう、家のなかに持ち込まないように気をつけるようにします。外出時にはマスクやゴーグルなどでしっかりガード、家に入る前に服の花粉をていねいに払い落とします。

さらに食生活などに気をつけることでも、花粉症を軽減することができます。異物に反応しやすい細胞膜をつくる動物性たんぱく質の摂取を控え、細胞膜を丈夫にする植物性たんぱく質を多く摂るようにします。肉類より、野菜・豆類・いも類・穀類を多く摂りましょう。

香辛料や刺激の強い食品、お酒やたばこなどは、症状を悪化させるので、できるだけ控えましょう。加工食品、ファーストフード、スナック菓子などの摂り過ぎも花粉症にはよくありません。

花粉症など、アレルギーに対抗するためには、日頃、バランスのとれた食生活を心がけるようにします。体力や免疫力を強化し、アレルギーになりにくい体質をつくることに努めましょう。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年1月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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