介護の知恵袋

排泄のトラブル

高齢者の排泄障害の原因には、腎臓の機能低下や膀胱のトラブルだけでなく、男性の場合の前立腺肥大などもあり、糖尿病や常用薬といった全身に関わる問題もあります。


高齢者にとって一番の悩み

高齢者にとって、頻尿や失禁などの排泄障害は、大きな悩みとなります。高齢者のなかには、頻尿・失禁といった問題を抱えているため外出も渋りがちになり、引きこもり状態になってしまう人もいます。

では、こうした排泄のトラブルの原因には、どんなものがあるのでしょうか?まず、加齢とともに膀胱が委縮し、溜められる尿の量が少なくなることで、頻尿になります。また、腎臓の機能低下は夜間の頻尿を招きます。さらに膀胱や尿道・肛門の括約筋の筋力低下により、失禁することもあります。

男性と女性の違い

男性の尿道は20cm前後と長く、膀胱の下にある前立腺のなかを通っています。高齢になり前立腺肥大になると尿道が圧迫され、尿が出にくくなる障害が起こります。女性の尿道は、3〜4pと短く、男性の尿道が2か所でカーブしているのに比べ、まっすぐ下に伸びているため、くしゃみや咳をしたときに、失禁しやすくなります。

こうした排泄のトラブルは、糖尿病や神経痛といった他の疾患が原因となることもありますし、降圧剤や利尿剤など、服用中の薬による場合もあります。かなり深刻な状況なら、ぜひ、かかりつけ医に相談してください。

対策としては、いわゆる使い捨ての紙おむつタイプの使用がおすすめですが、嫌がる人も多いのが現実です。しかし、最近は、極薄型のパンツタイプのものもありますので使ってみることをおすすめします。よけいな心配をせずに外出できます。

 

 

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年2月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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