介護の知恵袋

老年期うつ病

65歳以上の高齢者がかかるうつ病を、特に「老年期うつ病」とよんでいます。色々と重なる精神的・肉体的負担の結果、うつ病になってしまいます。高齢者の精神疾患の中で、最も多くみられるといわれます。今後、高齢化に伴ない、老年期のうつ病はますます増えると考えられます。


老年期うつ病ってどういうもの?

高齢になると身体が思うように動かなくなり、あちこちが痛んだり視覚や聴覚などに不具合が生じるなど、全身の衰えを感じるようになります。病気にもかかりやすくなり、また、退職したり、配偶者や親しかった友人に先立たれるなど、生活環境が大きく変わることから、喪失感や孤独感が深まります。

「気持ちが沈む」「食欲がない」「物事に対する興味や喜びが湧かない」「眠れない」「いつも身体がだるい」「集中できない」「いつもイライラしている」といった症状が2週間以上続く場合、老年期うつ病が考えられます。老年期うつ病の場合、身体の機能の低下もあり、「頭が重い」「肩こり」「腰痛」「便秘」など、様々な身体的症状が見られます。

早めにかかりつけ医に相談を

悪化に伴ない「こんなに辛いなら死んだほうがましだ」と考えるようになることもありますから、周囲の注意が必要です。周囲の人も含め、老年期うつ病かなと感じたら、早めにかかりつけ医に相談してください。

老年期うつ病と判断された場合、まず、十分な休養、食事、睡眠、そして適切な投薬治療が必要です。

うつ病の治療薬も、最近は副作用が少なくなり、種類も増えています。また、身体の病気が原因のうつ病ということもあります。いずれにしても早めにかかりつけ医の診察を受けましょう。

 

 

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

トップページへ