介護の知恵袋

食事の介助

食事は単に生きていくための栄養補給というばかりでなく、高齢者にとってはとても楽しみなものです。そんな高齢者の立場に立って、介助することが大切です。できるだけ自分で、おいしく楽しく食べられるよう、工夫しましょう。


時間をかけて好きなように食べる

食欲は心理的な影響を受けやすいので、目覚めのよい朝食時にゆっくりと時間をかけ、できるだけ全部食べられるようにします。

可能なら、家族や他の人と一緒に食べられるようにします。無理な場合でも座位にしたり、側臥位にして枕などで支え、献立を目でも楽しめるようにしましょう。

食べ始める前にトイレの必要がないか確認します。また、便器や汚れた衣類といった、食欲を妨げるものは周囲に置かないようにしてください。手を洗うか、お絞りで拭いてから、食べ始めます。上手に食べられない場合、ホルダーつきスプーンなど、自助具を活用するとよいでしょう。

食事は、自分の食べたいように食べるのが一番おいしい食べ方です。こぼしたり、時間がかかっても、なるべく自分で食べるようにしましょう。

また、食事の並べ方はいつも一定にするようにします。

介助が必要な場合の食事

起き上がれなかったり、手が不自由で食事を口に運んであげなければならない場合も、せかしたりせず、ゆっくり食べさせましょう。飲み込んだかどうか、絶えずのど元を観察します。食べやすさを考え、スプーンで小さくしたり、つぶしたりして一定量ずつ食べさせます。むせないよう、また誤嚥のないよう、適度にお茶や水、汁物を与えます。

食事が終わったら口の周りを拭いて、うがいをさせます。いつも口腔内を清潔にしておきましょう。

唇や肌が乾燥しているときは水分不足です。十分に摂りましょう。高齢者は排泄の心配から水分を控え気味になることもあります。脱水症状にならないよう、気をつけてあげてください。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

トップページへ