冬の身体から春の身体へ変化するときに、春に旬を迎える食材が、身体の変化を効果的に助けていることを、以前、ご紹介しました。このように、旬の食材が身体の変化に貢献することは、秋から冬に向けても存在します。
季節性インフルエンザやかぜの流行に対抗するために、秋から冬にかけての身体は、免疫力の向上が一つの課題になります。
免疫力の向上には、まず、身体そのものの強さが欠かせません。このためには、身体の細胞を作るための良質のたんぱく質を多く摂取したいところです。こうした要求に応えるかのように、この時期、旬を迎えるのが、秋刀魚・鰹・鮭です。
そして、身体細胞を活性化して免疫力を向上させる、β-グルカンという成分が豊富に含まれる、シイタケ・マイタケ・シメジといった、きのこ類も旬を迎えます。
免疫力の向上にとってもう一つ大きな要素は、腸の状態です。腸内環境を整える食物繊維を豊富に含んだ、さつまいもや里芋の旬は9月から始まります。
昔と違って、今は一年中、様々な食材が手に入るようになりました。とはいえ、旬の食材には、その時期ならではのよさがあります。まずは味覚。やはり旬になると季節外れだったときと比べて、より美味しく感じます。味がよくなるのは、食材が成熟する時期を旬としているからです。
成熟した食材は、栄養も豊富です。季節外れの時期と比べて、2倍以上の栄養価を持つ食材もあります。
日本人は、旬という考え方を大切にして、それぞれの季節の食材を楽しんできました。これは、健康に生活を送るための知恵でもありました。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2012年9月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載