介護の知恵袋

老人性乾皮症

「かゆみ」は、高齢者にとって、とてもつらいものです。かゆみは、発疹があるものと、発疹がないにもかかわらずにかゆみがあるものとに大きく分けられます。 ほとんどの場合、原因は加齢とともに皮脂が減ってしまうこと。また、空気が乾燥する冬に多くみられます。

どうして起こる?乾皮症

私たちの皮膚は、皮膚の細胞が変化した角質に覆われています。そしてその表面には皮脂という脂質(脂分)の膜があり、水分の蒸発を防いでいます。

ところが年をとるにつれ、機能が低下し、身体のあちこちで皮脂が少なくなってしまうと、本来の防御機能も弱まって、ちょっとした外的刺激にも湿疹になったりします。これを皮脂欠乏性湿疹といいますが、高齢者の場合とくに、老人性乾皮症とよんでいます。ひざから下や背中にかゆみを訴えることが多くみられます。

老人性乾皮症の対応策

老人性乾皮症の、つらいかゆみの対応策としては、保湿剤が使われます。

薬局などの市販薬にも、様々な保湿剤が置かれています。試してみて、皮膚のカサカサした感じがなくなり、しっとり感を得られるものを選びましょう。

また、お風呂でゴシゴシとあまり強く洗わないようにします。ナイロンタオルといった、摩擦刺激の強いものも避けましょう。

保湿剤は、皮膚がまだ湿っている入浴後の湿った肌に使うと効果的です。背中や自分で塗れないところは家族の人が塗ってあげてください。マッサージ効果にもなります。

悪化して湿疹になったりすると、治療にも時間がかかります。早めの対策で、快適な冬を過ごしましょう。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2013年1月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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