ホームクリニック

見てわかる! −脳の病気−

脳の病気は、片頭痛、一過性脳虚血症や脳卒中(脳出血・脳梗塞)など、様々です。発見が遅れることで最悪の結果になるほどの重大な病気もあります。また、神経の中枢ともいうべき脊髄や、目・耳・鼻といった感覚器官も頭部にあります。

頭痛を甘く見てはダメ!

頭のなかには何がある? と尋ねられれば、誰もが「脳」と答えるでしょう。そう、頭部には頭蓋骨で守られた脳が入っています。

そして普通、頭部の病気といえば、まず思い浮かぶのが「頭痛」。頭痛はばとんどの人が経験したことがあるでしょう。かぜをひいたときや二日酔い、寝不足やパソコンに長時間向かい合ったあと、しばしば頭痛は起こります。これらのように原因のはっきりした頭痛は、ほとんどの場合、市販の鎮痛薬を飲んで一晩寝れば治ってしまったりします。

それでも頭痛を甘く見てはいけません。脳腫瘍や脳卒中など、重篤な病気のサインである場合もあるからです。突然の激しい頭痛や市販薬で治らない頭痛は、早めに医師の診察を受けましょう。

脳卒中ってどんな病気?

脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりする病気です。代表的なものに「脳出血」と「脳梗塞(脳血栓)」があります。破れたり詰まったりした血管の先に血液の栄養が届かなくなり、突然意識を失って倒れたり、ろれつが回らなくなるといった発作が起こります。

脳の血管が詰まるタイプの主なものは脳梗塞、脳の血管が破れるタイプの主なものは脳出血とよばれ、高血圧治療が十分でなかった昔は脳出血が多かったのですが、今は脳梗塞のほうが増えています。

脳梗塞が増えた原因としては、脂質異常症や糖尿病などが増えたことがあげられます。

脳卒中の予防法

脳卒中の予防で最も重要視されることは、高血圧対策です。また、糖尿病や心房細動も原因となる大きなものです。これらについては生活習慣の改善がポイントとなります。

高血圧や肥満は大きなリスクとなりますから、その予防のためにも運動は欠かせません。

通勤時など、できるだけ多く歩く習慣をつけましょう。また、ウォーキングや水泳のような有酸素運動は脂肪を燃焼させるため、高血圧を改善し、肥満予防にも効果があります。

さらに、動脈硬化の原因となるコレステロールの管理も大切。魚や植物性の油に含まれている不飽和脂肪酸は、コレステロールを下げる作用があります。一方、卵黄や高脂肪の乳製品、肉類、即席麺、スナック菓子類、チョコレートは、コレステロールを上げてしまう食品なので摂り過ぎないこと。お酒も適量を守りましょう。また、タバコは大きな危険因子となります。ぜひ、禁煙しましょう。

その他の主な脳の病気

▼くも膜下出血……くも膜下出血とは、くも膜下腔の動脈が破裂して脳の表面に出血が起こる病気。出血の瞬間に激しい頭痛と吐き気に襲われます。「脳内出血」と並んで典型的な「脳出血」 の一つ。

▼てんかん……突然意識を失ったり、けいれんを起こしたり、こわばり、しびれなどによって転倒したりする発作を繰り返し起こす、原因不明の脳の病気です。

▼アルツハイマー病……代表的な認知症ともいうべき病気で、数年から十数年かけてゆっくりと進行します。脳全般に異常なたんぱく質が溜まり、脳が萎縮してしまうことが原因といわれています。

▼ギランバレー症候群(急性多発性神経炎)……かぜの症状や下痢のあと、手足の左右同じところにしびれが出て、脱力や筋力低下が起こります。両側の顔面神経麻痔もありますが、ウイルス感染症後の発症と考えられています。

このように脳の病気には様々なものがあります。それでも脳の役割は「考えたり」「記憶したり」「運動したり」など、私たちの生活に欠かせません。大切にしたいですね

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2013年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

トップページへ