医療費の増大原因の一つとされる生活習慣病の予防が叫ばれていますが、この中で、よく出されるのが「メタボリック・シンドローム(症候群)」という用語です。これを学んでおきましょう。 |
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肥満には、脂肪が皮下に付くタイプと、内臓の周りに付くタイプ、の2つがあります。そして、内臓の周りに付くタイプでは、体内で分泌されているインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)に陥りやすい、と言われています。つまり糖尿病になりやすい、ということになります。 もう少し詳しく言いますと、インスリンは肝臓や筋肉、脂肪組織の中で@糖放出を抑えるA余分な糖をグリコーゲンと合成して蓄えるB脂肪の合成促進、といった様々な作用を及ぼし、結果的に血糖を下げる役割をしています。しかし、この役割が平常の量のインスリンでは果たせなくなりますと、これを補うため、膵臓から多量のインスリンが分泌されるようになります。やがて、こうした過度の分泌によるオーバーワークのため膵臓が疲弊すると、血糖値が上がったり、脂肪の分解が進んで高脂血症や高血圧、そして糖尿病が引き起こされる、という訳です。 このように、脂肪の蓄積から様々な病気が連鎖的に引き起こされる状態を「メタボリック症候群」と呼びます。このメタボリック症候群になりますと、虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性の疾患を発症しやすくなる、と言われています。図1の3項目以上に該当するとメタボリック症候群と定義されます。 |
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