再生医療とは
 
細胞を人工的に培養
臓器や組織を再生する
 
 再生医療とは、人工的に培養した細胞や組織を用いて、病気やけがなどによって失われた臓器や組織を修復・再生する医療です。
 現在の臓器移植や人工臓器による治療は、臓器提供者の不足や、人工臓器機能の再現に限界があるといった問題を抱えています。
 一方、再生医療はそうした問題を克服し、新たな治療の可能性を広げるものとして注目されています。開発が進み、患者様自身の細胞を元に、組織や臓器を培養できるようになれば、拒絶反応の心配がない移植も可能になるからです。
 この再生医療で重要な役割を果たすのは、さまざまな細胞になる能力をもった「幹細胞」です。例えば、骨髄で作られる造血幹細胞は血液の元になる細胞ですが、血友病の患者様に移植するシステムが確立されています(骨髄バンク)。
 また、幹細胞のなかでも注目されているのが、分化を始めて間もないヒトの受精卵から得られるES細胞(胚性細胞)で、非常に再生能力が高いため、万能細胞ともよばれています。あらゆる組織になりうる細胞で、これを元につくられた皮膚や軟骨、血管などが、すでに実用化されています。しかし、人間の元となる受精卵を使用することから、倫理的問題も残されています。
 
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