寒さに注意! 高 血 圧
 朝晩、冷え込む季節になると、朝に温かい布団から抜け出すのが一苦労。寒さに思わず身が縮みます。トイレでも「ブルッ」。実はこの瞬間、血圧は急上昇しているのです。“寒さにご注意!高血圧”の対策を取り上げました。
 冬になると、体温を逃さないよう毛細血管が収縮するため、血圧も上がります。寒いトイレでいきむと平均60mmHg上昇すると言われ、くも膜下出血が排便中に起こるケースも少なくありません。また血圧は1日のうちでは起床する頃に高くなりやすいため、脳卒中や心筋梗塞による死亡数は朝7時ころから増え始め、10時ころにピークを迎える傾向があります。普段に血圧が高めの人は動脈硬化により血管内部が狭くなったり、加齢により動脈の弾力が失われているため、特に冬の朝は要注意なのです。
仮面高血圧について 〜治療が必要なのに見つからない〜
 治療が必要なのにもかかわらず発見されにくい高血圧、というのがあります。診察室で測ると正常なのに、家庭や職場での血圧が高い状態のことです。ちょうど「白衣高血圧」と正反対で、正常血圧の仮面をかぶっている“かくれ高血圧”という意味で「仮面高血圧」と呼ばれます。
 仮面高血圧には2種類あります。その1つは、健康診断などでも見逃され本人にも自覚が無いタイプ。原因は職場や家庭での強いストレスや喫煙です。血圧測定の順番を待っている間にストレスから解放されてリラックスしたり、一定時間タバコを吸わないため血圧が下がったりして発見されにくいのです。
 その2は、治療で降圧剤を内服しているのに、夜間の血圧が充分下がらず、早朝に急上昇するタイプです。これは内服薬や服用時間を変えたりすることで対処が可能です。ただし必ず主治医に相談すること。
 仮面高血圧は、良好に治療できている場合や白衣高血圧に比べると、心筋梗塞や脳卒中のリスクは3倍も高くなります。どちらのタイプも発見するには家庭での血圧測定が不可欠です。朝と寝る前に血圧を測りましょう。結果は毎日記録し、上が135以上、または下が85以上の場合はすぐ受診を。その際、記録メモを持参すると、なおよいでしょう。
血圧を上げない冬の生活10カ条
@早寝早起き、起床直後の行動はゆっくりと
Aトイレや脱衣所も暖房する工夫を
B便秘に注意し、10分以上いきまない
C出勤は余裕を持って。階段の駆け上がりや、
  満員電車に無理やり乗り込むのは危険
D寝不足の翌日、重労働は避けよう
E食事は薄味の腹八分目で
F寒い夜のはしご酒は危険がいっぱい
G入浴はぬるめの温度で、肩までつからない
H準備運動を充分行い、毎日軽い運動を
I禁煙しよう
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