食中毒を予防しよう

清潔・時間・温度が3原則
特に気を付けたい「まな板」
 気温が上がってくるこの季節は、食中毒が起こりやすくなる季節でもあります。そこで食中毒を起こさないために、どの様なことに注意すればよいか、予防策について取り上げてみました。
(毎日新聞「くらしナビ」欄より)
 最近は抗菌に過度なほど神経を使う傾向がある一方で、まな板をよく乾かしたり、フキンを小まめに洗うなどの?台所の常識?が見落とされがち、という指摘もあります。全国で料理教室を開いている一般財団法人ベターホーム協会では食中毒の防止三原則に「清潔」「時間」「温度」を掲げています。これは総合南東北病院の栄養管理科でも同じです。同協会の堀江雅子講師によると「調理前に手や器具を十分に洗い、食品をよく加熱して、出来上がったら早めに食べるよう、心掛けるべきです」と指摘しています。
 「冷蔵庫に入れておきさえすれば安心、とは言いきれないのです」と堀江さんは言います。例えば、飲料水のビンの底などに付いた雑菌が冷蔵庫内に入る場合があります。また夏場に30秒
間ドアを開けっ放しにすると、冷蔵庫内の温度は10度以上になってしまうそうです。そこで、基本はまず、調理前の手洗いです。手のひらをこすり合わせるだけでなく、指の付け根や爪、手首まで石鹸で良く洗うことです。最近はネイルアート人気のため、爪を長くしていたり、付け爪をしている女性が増えていますが、これは要注意です。雑菌が潜む指輪を外さないで手を洗う人も多いようです。
 調理器具で気を付けたいのはまな板です。肉や魚と野菜類は裏表に分けて切る必要があります。例えば、食中毒を引き起こす腸炎ビブリオ菌は塩分があると増殖します。生魚を切った後に、そのまま塩気のある漬物などを載せるのは避けた方がいいです。
 堀江さんは「グルメブームで動物性の食品を生で食べるようになった点も注意する必要があります」との指摘をしています。この時期は特に、生肉や生レバーは火を通すことをお勧めします。病原性大腸菌O157は熱に弱く75度で1分間加熱すれば死滅します。しかし、厚い肉や魚の中まで高温にするには時間がかかるため、煮込み料理など長時間加熱する調理法を選べば安心です。
抗菌性のある食べ物
 身近な食べ物にも菌を抑える効果のあるものがあります。食中毒を予防するために、これらの食べ物を活用してみては如何でしょうか。
★梅干し ★お茶
食中毒を起こす菌は比較的酸に弱いので、梅干しの殺菌力が食中毒予防や腐敗防止に威力を発揮します。 お茶に含まれるカテキンは強い殺菌力で細菌が出す毒素の活性を抑えてくれます。
 
★しそ(紫蘇) ★お酢
しその香りの元であるペリルアルデヒドには強い防腐作用があり、魚の毒を中和する働きを持っています。 酢は有害な細菌を短時間で死滅させるほどの強い殺菌力を持ち、食塩と一緒に使用すると、効果はさらに高まります。まな板などの殺菌に有効です。
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