南東北 2007年12月

 
トピック
「命」をテーマに学習
三春中学生が当院で授業
 総合南東北病院にこのほど三春町立三春中学校の生徒4人が体験学習に訪れました。「命」をテーマにした「総合的な学習」の授業の一環として、生徒一人一人が体験やインタビューなどを通じて、自分のテーマに迫り、「命」に対する考え方をさらに深めさせたい、との同校の申し入れにより行われたものです。
 体験学習では、院内見学のあと、当院の中澤誠先生(小児・生涯心臓疾患研究所 所長)の診察室で、ぬいぐるみを使っての幼児の診察方法を学びました。
 そして、中澤先生にインタビューを行いました。「この仕事に就いたきっかけは何ですか」「どんな時に仕事のやりがいを感じますか」「先生にとって命とはどういうものですか」などの質問が次々と飛び出し、中澤先生はそれらの質問に丁寧に答え、「“命”には、“心臓”と“心が輝く”という2つの意味があります。“命”には人によって様々な意味があると思います。皆さんにとって“命”とはどういうものですか」と生徒に逆に質問する場面もありました。今回の体験を通し、生徒たちは自分なりに“命”について理解を深めた様子でした。
中澤先生(左)にインタビューする三春中の生徒たち
☆健院L-CUBと県がタイアップ 介護予防やリハに結びつける
フォレストセラピー
 南東北グループ施設の「健院L-CUBデイ」では福島県農林水産部・保健福祉部の森林空間を利用した「フォレストセラピー・モデル事業」を介護予防・リハビリテーションに結び付ける可能性を検討することで、タイアップを決めました。これによって、福島県内で約1,000億円に上る、といわれる介護保険料の圧縮に大きく貢献する、と期待されています。
 フォレストセラピーとは森林の地形や自然を利用した医療やリハビリテーション、カウンセリングなどを言います。森林浴、森林レクリエーションを通じて健康回復・維持・増進をはかる活動です。先進国のドイツではクナイプ療法(ドイツ全土に64カ所)が知られています。クナイプ医師連盟が調査・設計を行った2キロから10キロの森林散策コースがあり、社会保険が適応されています。
 介護保健の利用者は、普通の高齢者に比べ極端に歩行量が少なく、その閉じ籠もりが要介護度の悪化の原因となっています(当院リハビリ科調査)。この回復には歩行能力に加えて、生きがい、役割、行動変容が重要である、とされています。
 そこで、今回のタイアップに基づいたモデル施行が10月30日(火)に安達郡大玉村の「県民の森・フォレストパークあだたら」で行われました。日頃パワーリハビリテーションを行っている要支援・要介護者と県職員、県の医師、総合南東北病院スタッフら20人が参加しました。プログラムとしては、血圧・脈拍の測定、ストレスチェックなど健康チェックを行ったあと、セラピートレーナーである森の案内人とともに森林を散策し、森がもたらす癒しの効果を体感しました。参加者からは「疲れたが、森を歩いて自信がついた」「昔を思い出して癒された」「森林を歩くと病気のことを忘れる」「もっと歩く練習をして、また参加したい」など多くの声があり概ね好評でした。
 この様な取り組みは全国でも報告は無く、今回の結果は県と南東北グループで共有し各研究大会などで発表される予定です。南東北グループでは健康長寿社会に貢献できるよう、今後も努めていきます。
県民の森を歩く参加者たち
 
☆近藤元治氏(京都府立医大名誉教授) 温熱療法特別講演2
局部に加熱
◇熱に弱い、というがん細胞の弱点を攻撃するために、ハイパーサーミアではがん組織を43度以上に加温する。43度のお風呂に入っても、血管が拡張して熱を逃がしてしまうので、体温は38度ぐらいまでしか上がらず、がんの治療にはならない。
 高周波を用いた局所加温装置(サーモトロンRF8)を使用すると、体の表面から深部の病巣まで自在に温めることが出来る。この治療法には多くの実績があり健康保険が適用されている。副作用が無く、抗がん剤や放射線と併用すれば、さらに効果が上がる。
 がんという敵はしたたかで、多くの場合に転移や再発に至る。完治を諦めた主治医の意欲の衰えを察知した患者さんはワラにもすがる思いで新たな治療法や代替療法などを求めて「彷徨える難民」となる。進行がんに対しても、ハイパーサーミアは腫瘍の増殖を抑え、がんを静止したままの状態に保ち、長期生存を可能にする。加温を繰り返すことで腫瘍の縮小やQOLの向上も期待できる。
☆郡北工吹奏楽部の演奏も
多彩に文化祭開く
 毎年行われる総合南東北福祉センター文化祭は今年は11月5日から10日まで施設内で開催されました。今回も利用者さんの作品展などが行われ、最終日の10日には県立郡山北工業高校吹奏楽部の17人が訪れ、交流ホールで約100人の利用者さんを前に演奏を披露しました。
 演奏は最初に会場全体を使って演奏するマーチ「海を越える握手」に始まり、ステージの上で「千の風になって」など3曲を演奏しました。東北大会に出場するほどのレベルの高い素晴らしい音の迫力に、利用者さんから「上手だね」「もっと聞きたい」など感動した声が出されていました。会場からのアンコールの求めに応じたあと、利用者さんを代表してケアハウス入居の星雄彦さんがお礼と将来への期待の言葉を述べて感謝しました。
 この演奏会で今年の文化祭の諸行事が終り、出品された作品の表彰式を行って幕を閉じました。
すばらしい演奏を披露する郡北高生
☆医師の説明が分かりやすい
患者さんからの礼状
 医師の説明が非常に分かりやすく、安心できるものでした。また、看護師の方たちも例外なく優しい。明るくして下さって、術後の回復の大いなる助けとなったと思います。
 食事もおいしく頂きました。ピアノのミニコンサートの企画、中古本の閲覧など、いろいろと細かい配慮をされておられること、素晴らしい病院だ、と思います。
(郡山市 男性 N・Tさん 56歳)
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