冬の前に予防の対策を
ノロウイルス

 食中毒と言えば真夏を連想しますが、冬を中心に猛威を振るうのがノロウイルスによる食中毒です。最近、郡山市内で子供の死亡例が出ました。そこで、秋たけなわの今から、冬季のノロウイルス食中毒を防ぐための知識をシッカリと頭に入れて、対策を立てておきましょう。

感染はすべて口から 乳児・お年寄りはご用心
 
 平成17年の厚生労働省の資料によりますと、日本の食中毒患者の30%以上はノロウイルスが原因となっています。また感染症としてもノロウイルスは患者数の多い疾患です。これだけ患者数が多いノロウイルスの感染原因を探ってみます。
 
 
〔症状〕
 ノロウイルスに感染・発症すると嘔吐や下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。これらの症状が起こったら必ずかかりつけ医を受診して下さい。ただ健康体なら重篤な状態になることは極めて稀ですが、抵抗力の弱い乳幼児とお年寄りは気をつけましょう。
 
〔原因と経路〕
 ノロウイルス食中毒の原因としては、カキなど二枚貝が指摘されますが、これらを食べなくても多くの人がノロウイルス食中毒に罹っているのです。何故なのか。それの答えは「人」にあるのです。ノロウイルスは口から人体に入り(経口感染または空気感染)、小腸で増殖して便や嘔吐物から大量に排出されます。このウイルスが手などに付着し、食べ物を介して感染すると「食中毒」になります。例えば、手にウイルスが付いている人が料理すれば食べ物にウイルスが付いて感染源になります。また調理器具の洗浄が不十分でウイルスが除去されていない場合も感染源となるのです。
 「感染症」でも同様です。食べ物を介さないでノロウイルスに感染すれば感染症となります。その感染経路は(1)感染者の手などに付いたウイルスが間接的に感染する(例えばトイレのドアのノブにウイルスが付着し、第三者に付着するなど)(2)感染者の便・嘔吐物の処理で口、手、衣服に付着し感染する(3)便や嘔吐物の処理が不十分で床などに残り、乾燥してウイルスが空気中に漂って、吸い込むと感染する、があります。
 
〔予防法〕
 食中毒対策は(1)二枚貝は85度以上の状態で1分間の加熱処理する(2)調理器具はこまめに洗い、消毒する(3)野菜、果物など生で食べる物は十分に洗う(4)料理する前はシッカリ手を洗う。嘔吐・下痢の人は調理しない。  
 感染症対策は(1)トイレに入った後や食事の前は必ず手を洗う。汚物を処理した時はうがいも(2)使用するタオルは清潔なものを。感染者とタオルの共用は禁物(3)感染者の便や嘔吐物を処理する時は使い捨ての大きなエプロン、使い捨てのマスク、ビニール手袋を着用する(4)汚れた部分は拭いただけではウイルスが残るので塩素系などの消毒薬で消毒を。換気も行い空気中のウイルスを外に出す。
 
 
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