花粉症

花粉症予備軍とは 〜 シーズンが到来 〜

 我が国では2050年には花粉症患者が現在の約2倍に増える、という予測があります。そこで、いま花粉症になる可能性がもっとも高い、と考えられる「花粉症予備軍」について考えてみましょう。(「薬局だより」も参照下さい)
花粉症が発症する仕組み
 (1)花粉が体内に侵入すると、体内では「IgE抗体」が作られる(2)IgE抗体は目や鼻の粘膜にある「マスト細胞(化学物質を豊富に含む細胞)」と結合する(3)1と2の活動は花粉が侵入するたびに繰り返され、IgE抗体と結合した状態のマスト細胞が増加し、ある一定量(個人差がある)を超える(4)そこへ、さらに花粉が侵入すると、マスト細胞と結合したIgE抗体が反応を開始する。この反応によってマスト細胞が活性化されて化学伝達物質(ヒスタミン,ロイコトリエン)を放出する(5)放出された化学伝達物質は目や鼻の知覚神経や血管を刺激する。その結果、目・鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻づまり、などの花粉症の症状が起きる、という流れです。
 花粉症予備軍とは、こうした流れの中でIgE抗体が増えやすいタイプ、つまりアレルギー体質の人です。花粉症になる可能性が高いのです。IgE抗体は人が免疫機能を働かせるために持っている抗体のこと。これが作られやすい体質がアレルギー体質です。IgE抗体はアトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・気管支喘息、などとも関わりがあり、こうしたアレルギー疾患のある方は既にIgE抗体が体内に多く存在している可能性があります。
突然に罹る?
 「突然、花粉症になってしまって…」という話をよく聞きます。急に花粉症になる、と感じるのはIgE抗体とマスト細胞が結合して身体がアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対して反応しやすくなっている状態が、花粉症発症寸前のレベルまで高まっているときに、新たな花粉症シーズンを迎えた、ということが考えられます。
シーズン前に対策を
 一般にスギ花粉が飛散し始めるのは2月。花粉症の治療は花粉症シーズンに症状が重篤化しないように、症状が出る前から行う初期治療(花粉が飛散しはじめる約2週間前)が効果的です。このためには初期治療の前にアレルギー検査を受けておくとよいでしょう。
IgE抗体が増えやすい初期治療が効果的

最近よく聞く言葉

災害時要援護支援制度
 高齢化社会で高齢者の一人暮らしや、高齢者だけの世帯が増えています。特に介護を受けている方は災害に大きな不安を抱えています。そこで、多くの地方自治体では災害時要援護支援制度の普及に取り組んでいます。災害時に地域の人たちで助け合い、支え合うことは欠かせません。この支援制度はこうした地域づくりを目指して地域社会で高齢者を守っていこう、というものです。
 具体的には、援護を必要とする方が、自分の情報と援護者(ご近所の人が望ましい)を予め台帳に登録しておき、援護者は災害時にその情報を基に援護必要者を支援します。例えば、一人で避難することが困難な高齢者が被災した場合、その人の状況を知らせなければ避難・救護が遅れることが想定されます。しかし、この制度を利用しておけば援護者によってそうした事態を回避することができるのです。
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