南東北 2009年8月



坐骨神経痛

 「腰の痛み」と言えば、坐骨神経痛を思い浮かべる方も多いでしょう。では坐骨神経痛が起こる原因はご存じですか?今回は知っているようで意外に知らない″ソ骨神経痛について勉強しましょう。
つらい痛みを改善したい
 坐骨神経は人体の中でも最も太く長い末梢神経で、腰のあたりから爪先まで伸びています(図1)。この坐骨神経が圧迫される、などの刺激を受けると腰やお尻、太もも、ふくらはぎ、足の先などに鋭く、電気が走った様な痛み、ピリピリとしたしびれ、強く張っている感じ、などの症状が生じます。これが坐骨神経痛です。
 坐骨神経痛は原因がハッキリと特定出来る場合は一つの症状として扱われます。例えば「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などの疾患が原因のときは、「腰椎…」が病名で坐骨神経痛が症状ということになります。実際に坐骨神経痛は原因の疾患が比較的見つかり易いので、病名ではなく症状として扱われることが多いようです。ただ、検査をしても原因が見当たらない場合は「坐骨神経痛」が病名となります。
原因となる疾患とは
 @腰椎椎間板ヘルニア=背骨は椎体(ついたい)という骨によって構成されています。この椎体と椎体の間にはクッションの働きをする椎間板という軟骨があります。この椎間板がはみ出したり、飛び出してしまうのが椎間板ヘルニアで、腰部の椎間板で起こると神経を圧迫して坐骨神経痛を起こしてしまいます。同じ姿勢を長時間続けたり、急に重い物を持ち上げたりした時に発症する危険性があります(図2)。A腰部脊柱管狭窄症=脊柱管は背骨の中央にあり脊髄と神経(馬尾神経)が通っています。この脊柱管が狭くなるのが脊柱管狭窄症です。腰のあたりで発症すると腰部脊柱管狭窄症となります。これが発症すると馬尾神経を圧迫し腰の痛みや足のしびれ、などの症状を起こします。先天的な原因もありますが、多くは加齢によって腰椎が変化することで起こります。B変形性腰椎症=腰椎の形が変形し神経を圧迫して腰に痛みや足のしびれを起こすのが変形性腰椎症です。原因としては加齢、同じ姿勢を長時間続ける、運動などで腰に過度の負担をかける、などが挙げられます。Cその他=腰椎分離症、すべり症、梨状筋症候群、外傷による圧迫、カリエス、腫瘍、糖尿病、アルコール依存症、喫煙、ストレスなどが原因となる場合もあります。
改善するには
 @なるべく重い物を持たないA長時間、同じ姿勢をとらないB激しい運動は避けるC肥満だったら減量するD安静にしているE腰周辺の筋肉をつける、を守ることです。坐骨神経痛を起こす疾患を早期に発見し治療することが大切。症状が出たら、すぐ整形外科へ。

神経が圧迫され発症・ヘルニアや脊柱管の狭窄

トップページへ戻る