冬の入浴に気を配ろう

事故の8割は高齢者

 入浴中に起きる死亡事故は年間に1万〜1万4千件も発生しており、その8割は65歳以上の高齢者と推定されていて、特に冬場に多く出ています。
 聖マリアンナ医科大学(神奈川県)の信岡祐彦教授によりますと、入浴中の突然死の主な死因は心筋梗塞などの心血管疾患と脳出血などの脳血管障害、となっています。内訳は心血管疾患が約60%、脳血管障害が約30%で、合わせて90%がこれらの疾患で占められています。特に冬場が多いのです。
 その大きな要因とされるのが「高温のお湯につかること」と「入浴による水圧で心臓への負担が増大すること」が挙げられます。信岡教授は「高温浴は交感神経を刺激して、血圧の上昇や心拍数の増加に繋がります。そこに水圧が加わると、心臓への負担が増大して障害を起こしやすいのです。さらに高温浴は入浴中の脱水や熱中症を起こし易く、事故に結び付く危険性を高めます」と語っています。一方、冬に多い理由としては@温度の低い脱衣所での血圧上昇A脱衣所とお湯との温度差B高温の湯に長時間つかる、などが考えられます。
事故を防ぐには
 冬に入浴時の死亡事故を未然に防ぐには「お年寄りが起こしやすい」ということを念頭におくことが大切です。そして以下の対策を心掛けましょう。@入浴前に脱衣所を暖かくしておき、浴室との急激な温度差を無くすAお湯の温度は41〜42度以下とし、高温浴は避けるB浴槽に入る前に掛け湯をして身体を湯温に慣れさせるC水圧の影響を軽減するため、浴槽には肋骨の下あたりまでつかる半身浴にするD入浴時間は、ほんのり汗ばむ程度にするE浴槽から出るときは、ゆっくりと立ち上がるF入浴後は水分を補給するG飲酒後の入浴は避ける

『熱い湯、部屋の温度差に注意』

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