南東北 2010年04月



腰痛 〜原因を見つけて治療する〜

 腰痛は男女を問わず、健康に関する最も大きな悩み、といえます。周りにも腰痛に苦しめられている人を数多く見かけます。一体、どんなことが原因となって腰痛が発生しているのでしょうか。それを探ってみました。
原因は?
 次の3つが考えられます。@骨・筋肉・椎間板などの障害A内臓・血管の病気B心因性の場合、です。中でも多く見られるのが@で、これをさらに突き詰めると「加齢により腰を支える筋力が衰えて身体を支え切れなくなる」「長年続いた悪い姿勢や、無理な動きが原因」の2つに分けられます。
 Aについては、かぜ・消化性潰瘍・腎臓や尿管の尿路結石などが原因となります。さらに腹部大動脈瘤、血管の閉塞が原因で腰に激しい痛みが起こることもあります。突然に始まって冷や汗を伴う腰痛は直ぐ救急車を呼びましょう。また、女性の場合は子宮筋腫・子宮がんが腰の痛みの原因になることもあります。痛みが長引くようであれば、やはり医療機関を受診するべきです。
 Bについては、精神的ストレスが原因の場合もありますから、いろいろと検査をしても原因となる異常が見つからない場合、心療内科・精神科の受診が必要になることもあります。
 激しい痛みが続く場合のほかに医療機関を考える目安としては、「姿勢を変えるなどしても痛みが取れず、むしろひどくなる」「しびれがある」「発熱を伴う」「意識を失って、ボウッとする」場合です。重い物を持ち上げた時にギックリ腰になった、といったキッカケがはっきりしている場合は様子をみてもよいですが、内臓疾患など他の部位が原因で診断・治療を要することもあります。例に挙げた症状の場合は早めに医師の診断を受けるべきでしょう。
痛み方で原因を探る
 @動くと痛む=安静にしたり姿勢を変えたりすると痛みはないが、動くと痛むのはギックリ腰・椎間板ヘルニアなどが考えられますA動かなくても痛む=安静にしていても痛む場合は腎臓や尿管の尿路結石・急性膵炎・腹部大動脈瘤などの病気が考えられますB関連痛=腰だけでなく、他の部位も痛む場合は消化性潰瘍・子宮筋腫・血管閉塞症などが考えられます。
治療は?
 腰痛の治療は姿勢や生活環境、さらには職場環境(作業環境)などを改善しながら痛みを和らげる治療をするのが基本です。つまり「保存療法(手術をせずに痛みをとる)」です。他に、治療法はいろいろありますが「薬物療法」の場合は非ステロイド系の消炎鎮痛薬や湿布薬、血流改善薬、筋弛緩薬、ビタミン薬などが処方されます。さらに「温熱療法」「牽引療法(筋肉を伸ばす)」などもあります。
 激しい痛みに対して即効性のある「神経ブロック(硬膜外ブロック)」は脊髄を覆っている硬膜と脊椎管の間に薬剤を注入して痛みを取ると同時に血流を良くする治療法です。
 逆に、保存療法ではなく「手術」が必要になる場合もあります。@強い痛みが続き日常生活に支障を来すA排尿・排便に不具合が生じる神経障害があるB神経が圧迫されて足の筋力低下がみられる、などの場合は手術となります。
予防策は?
 先に挙げた腰痛の原因になる長年の悪い姿勢や無理な動作を無くすよう日頃から正しい姿勢が保たれているかチェックし、腰痛体操などで痛み軽減や予防に努めましょう。腰痛は普段の生活習慣の見直しで予防したり、和らげることが出来るのです。

加齢で筋肉が衰えたり 長年の悪い姿勢など

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