気管支喘息を知ろう

刺激に対抗して反応/発作の原因にアレルゲン

 いま、気管支喘息の患者さんが大人も子どもも増加傾向にある、といわれています。そこで、気管支喘息ってどんな病気なのか、をよく知っていただくために、Q&A方式でまとめてみました。
気管支喘息ってどんな病気?
 気管支とは私たちが呼吸をするとき、空気の通り道になる器官です。気管支喘息(以下喘息と表記)の患者さんの場合、その気管支に慢性の炎症が起きているため、刺激に対してとても敏感になっています。このため何らかの刺激になるものを吸い込むと、刺激に対抗するため様々な反応が起こります。この結果、気管支の粘膜が腫れたり、大量の痰が溜まるなどして気管支の内側が狭まり呼吸が困難な状態に陥ります。これが喘息発作と言われるものです。この患者さんの多くはアレルギー体質で、その人によって発作の原因となるもの=アレルゲンがあるのです。
アレルゲンにはどんなものが?
 人によって異なりますが、アレルゲンになりやすいものは、ハウスダスト(ほこりやダニなど)・花粉・卵・牛乳・大豆・小麦・そば・動物の毛、などがあります。また、喘息の発作はアレルゲン以外のキッカケで引き起こされることもあります(表1)。気圧や気温、湿度の変動は発作と深い関わりがあります。特に梅雨どきや台風の発生する秋口は具合の悪さを感じる患者さんが多く、喘息の好発時期と言われています。
その症状は?
 喘息の症状には咳や痰のほか、呼吸する時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がする喘鳴(ぜんめい)があります。また症状がひどくなると、気管支の内側が狭まってしまい、呼吸が困難になる「発作」が起こります。この発作は夜間や明け方に起こることが多く、昼間になると自然に治まる傾向にあります。発作は重症化すると死に至ることもあり、薬で治まらない時は直ちに病医院を受診する必要があります。
どんな検査・治療が行われるの?
 まず検査では、血液検査でアレルギー体質の有無、何がアレルゲンなのかを調べます。また呼吸機能の測定なども行われます。治療は、一般的には服薬や吸入を用いる「薬物療法」が行われます。今では、気管支の炎症を抑え発作の起こらない状態が持続することを目指す「予防に重きを置いた治療」が行われています。このためには、予防薬が効果を現すまでの長期的な服薬管理が必要になります。発作が起きた場合は早めの段階(発作の兆しがある、喘鳴があるなど)で薬を飲んだり吸入することで重度の発作に移行するのを防ぎます。
発作を予防するには?
 まずアレルゲンを身の周りから除去する必要があります。過去に発作を起こした状況を思い出して、キッカケとなったと予想されるものは出来るだけ避けるようにし、季節的なものであればその時季は無理をしないように心掛けることが必要です。長期の治療が必要な病気なので、自己判断で治療を中断しないようにすることが大切です。
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